はじめに
不動産投資には、本物の「情報」が必要だ
この本を手に取ってくださり、ありがとうございます。
突然ですが、ひとつのメールをご紹介させてください。
これは、つい先日わたしのもとに届いた相談メールの一文です。
「毎月5万円の赤字が続いています。どうすればいいでしょうか?」
相談者は大手メーカーにお勤めの42歳の男性。
年収は800万円。
将来への不安から不動産投資を始めたものの、営業マンの「節税効果で実質負担はゼロです」という甘い言葉を信じて購入した結果、毎月の持ち出しが家計を圧迫している状況でした。
このようなご相談を、わたしはこれまで2,500人以上から受けてまいりました。
その皆さんに共通しているのは、決して軽率に投資を始めたわけではないということです。
むしろ真面目に、ご自身や家族の将来を考えて、勇気を持って一歩を踏み出した方々ばかり。
それなのに、なぜこのような結果になってしまうのでしょうか?
「不動産投資のお医者さん」として見た業界の現実
はじめまして。
こうのすけと申します。
現在「不動産投資のお医者さん」として、中立の第三者の立場から不動産投資のセカンドオピニオンサービス「みんなのワンルーム投資」を主宰し、コンサルティングや講演活動をおこなっています。
わたしは、2011年に不動産業界に入り、新築ワンルームマンション専門の大手不動産会社で約10年間、営業として働きました。
会社ではNo.3の立場で年間売上22億円の成績を上げ、表彰されたこともありました。
しかし、その経験を通じてわたしが目にしたのは、不動産業界の「闇」でした。
約9割以上の不動産会社が「お客さまの利益が上がる物件」よりも「会社が売りたい物件」を販売している現実。
営業至上主義の構造の中、投資家の利益より会社の利益が優先され、多くの初心者が「業者のセールストークを信じて物件を買い、毎月赤字を垂れ流す」危険な状況に陥っているのでした。
わたしはこの現実を知り、2023年10月に大手不動産会社を退職しました。
「売る側」から「買う側」に立ち、投資家を守りたい。
そんな思いから、客観的な立場で不動産投資家たちの相談を受ける活動を始めたのです。
あなたは「情報弱者」になっていませんか?
「節税できるって言われたのに、実際は全然違った」
「家賃保証があるから安心だと思ったのに、毎月赤字が続いている」
「大手企業だから安心だと信じて購入したが、物件の質は期待外れだった」
そんな悩みをかかえる不動産投資家たちを、今までわたしは、数々見てきました。
こうした失敗は、決して運や偶然のせいではありません。
その最大の原因は、情報を受け取るだけで、問い返すことをしない「情報弱者」になっているからです。
営業マンが「利回り4%です」と言ったとき、あなたは「それは表面利回りですか?実質利回りですか?」と質問できますか?
「節税効果があります」と説明されたとき、「何年間続きますか?損益分岐点はどうなりますか?」と問い返せますか?
これらの質問ができない状態、それが「情報弱者」ということです。
そして残念ながら、この情報弱者こそが、不動産投資業界の格好のターゲットになっているのです。
時代が求める「本当の不動産投資」とは?
いま、インフレが進行し、年金制度への不安もますます高まっています。
現金や預貯金だけでは資産価値が目減りしてしまう状況において、不動産投資はすぐれた解決策のひとつとして、注目されています。
しかし間違ったやり方では、資産を築くどころか、大きく減らしかねません。
正しい知識を身につけ、自分で判断する力を持つことで、不動産投資は、確実に資産形成の強力な武器となります。
実際、わたし自身も、投資用マンション3戸とアパート1棟を運用し、安定したキャッシュフローを得ています。
そしてまた、2,500人を超える投資家の方々に「数字に裏付けられた、後悔しない不動産投資」をサポートしてまいりました。
大切なのは、華やかな成功事例に踊らされることではありません。
今こそ地に足のついた、堅実な資産形成を、本気で考える時期なのではないでしょうか。
この本があなたにもたらすもの
この本の目的は、あなたを「情報強者としての不動産投資家」にすることです。
業者の営業トークに惑わされず、物件の真の価値とリスクを見きわめ、長期的な視点で後悔のない資産形成を実現する。
そのために必要な知識と判断力を、この本を通じて、余すことなくお伝えします。
この本を読むと、具体的には、次のことができるようになります。
- 営業マンの説明の「裏」を読み取り、適切な質問ができる
- 物件の収益性を計算し、比較検討する手段がわかる
- 将来のリスクを予測し、対策を立てられる
- 自分の属性に合った不動産投資がわかる
- 騙されない、後悔しない物件選びができる
不動産投資は、決して「楽して儲かる」ものではありません。
けれど、正しい知識と継続的な学習があれば、確実にあなたの人生を豊かにしてくれる資産となります。
業界の「闇」を知り尽くしたわたしだからこそ伝えられる、「本当の話」が、この本には詰まっています。
一人でも多くの方が、後悔のない不動産投資を実現できますように。
そんな願いを込めて、この本をあなたにお届けします。
令和7年9月吉日 こうのすけ
📑 目次(全体)
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不動産投資の基本
最近、どんどん物価が上がっています。
ガソリン代、食材費、電気代、すべて値上がりしています。
インフレが進むと、現金の価値は下がっていきます。
いま100万円で買えるものが、10年後には120万円出さないと買えなくなります。
物価が上昇するのが確定している時代
わたしたちはどうやって自分の生活を守ったらよいのでしょうか?
この本では、そんな不安の解決策として、不動産投資でいま最も注目されている「ワンルームマンション投資」をとりあげ、そのメリットとリスク、絶対に後悔しないための方法を、お伝えするものです。
このワンルームマンション投資が、なぜわたしたちの不安の解決策になるのか、まずは不動産投資の基本的な仕組みを押さえておきましょう。
【1】少ない自己資金で、資産をつくれる不動産投資
不動産投資は、数千万円が動く世界です。
だから不動産投資なんかお金持ちのやることさ…。
そう思われがちなのですが、知っている人は知っています。
不動産投資って、一般的に想像されるより、はるかに身近で現実的な資産形成ルートなんだ、と。
ご存じの方も多いと思いますが、不動産投資のいちばんすごい点は
「あまり自己資金を使わず、大きな資産をつくれる」ことです。
普通の会社員の人が、手元のお金の持ち出しをせず、月々の負担を抑えながら数千万円の不動産のオーナーになる。
そんなびっくりするようなことが現実になるのが、この不動産投資です。
ご存じのとおり、不動産投資の基本の流れは
「物件を買って、人に貸し、家賃収入でローンを返す」こと。
たとえば2,500万円の物件を購入した場合は、こんな感じです。
つまり、いくらかの頭金と月々の実質的な負担数千円で、2,500万円の資産を手に入れられるというわけです。
自己資金をそれほど持ってなくても、銀行からの借り入れ(他人の資本)と入居者からの家賃収入で、大きな資産をつくっていく。
これができるのが、ほかの投資と違う、不動産投資の仕組みなんですね。
なぜそんなことができるのか?
不動産は金融機関が担保評価をするため、手持ちの資金力ではなく、社会的な信用でローンを組めるからです。
ほかの投資なら、どれも原則的に自己資金の範囲内。
これは圧倒的な違いです。
会社員、公務員、医療関係者など、特に年収500万円〜5,000万円の方。
そんな社会的信用を活用できる方が、融資をうけて、少額からスタートできる投資。
それが不動産投資なのです。
【2】不動産投資のおもなメリット4つ
この不動産投資は、株やFXなどと比べて、日々変動せず、値崩れの危険も少ない安定的な資産をつくれる手段でもあります。
ここで、不動産投資に期待できる、大きなメリットを3つ挙げておきましょう。
メリット1 インフレに強く、資産価値の目減りを防げる
- インフレになると、不動産も家賃も価格上昇する
- 株式は企業業績や市況で価値がゼロに近づく可能性もあるが、土地は基本的にゼロにはならない
不動産はインフレに強い資産といわれています。
いま、物価が急速に上がっています。
インフレが進むと、現金の価値はどんどん下がっていきます。
100万円で買えるものが、10年後には120万円出さないと買えなくなります。
しかし不動産は「モノ」ですから、物価と一緒に価格は上がっていきます。
◇資産価値の維持・向上が期待できる
どれほどインフレが来ても、不動産価格はインフレに合わせて上昇するため、資産価値の目減りをおさえることができます。
実際、新築の価格は、建築資材や人件費の高騰で押し上げられますが、それとともに、今までの不動産の相対的な価値も上がり、家賃も引き上げられる傾向にあります。
家賃が上がれば、物件の利回りも向上し、さらなる資産価値の増加につながっていきます。
特に好立地や品質のよい物件は、インフレ時、さらに希少性や付加価値が高まるでしょう。
◇ローン返済の実質的負担が軽くなる
一方、インフレは貨幣価値が下がるため、ローン(借入金)の額面は同じでも、実質的な負担は、軽くなっていきます。
また、今まで少額の自己資金で取得した不動産の価値が上がることで、つぎこんだ自己資金以上のリターンが期待できます。
レバレッジ(=てこ)の作用のように、少額の投資資金で大きなリターンが得られるのを「レバレッジ効果」があるといいます。
不動産投資は、ローンを使って中長期的な「レバレッジ効果」を期待できる投資方法とされています。
インフレが来たら、預貯金だけでは資産は守れません。
現金を持っているより、不動産にしておいたほうが価値は下がりにくくなります。
不動産は、すぐれた「お金の置き場所」としてはたらき、しかも資産価値は、上がっていきます。
不動産投資は、インフレ時代において、「資産防衛」と「資産拡大」、どちらにとっても有効な手段になるのです。
メリット2 生命保険やがん保険の代わりになる
- 団体信用保険がついた物件は、死亡・特定疾患・高度障害などでローンの残債がゼロになる
- 家族に借金のない不動産と家賃収入を残せる
不動産投資のローンには、基本的に「団体信用生命保険」がついています。
これは、あなたに何かあった場合(死亡、高度障害、特定の病気など)、「ローンの残債がゼロになる」という保険です。
この保険のメリットは、
「万が一のことがあっても、家族に借金を残さない」
「家族には借金のない不動産と家賃収入が残される」という点です。
月々高い生命保険料を払うより、不動産投資なら、資産をつくりながら保障も手に入れる、一石二鳥の効果が期待できるのです。
メリット3 長期的な安定した収益となる
- 家賃収入は、契約期間中ほぼ一定。日々の価格変動に左右されにくい
- 長期的に「毎月入ってくるお金」をつくれるため、生活の安定や老後資金の計画が立てやすい
不動産は「衣食住」という人間の基本的なニーズのひとつ、「住」を満たすものです。
この安定性は、ほかの投資の比ではありません。
不動産は、景気変動や金融市場の混乱の影響を受けにくく、長期的な運用がしやすいのです。
◇長期的な安定収益による、老後資金の確保ができる
総務省の調査によれば、夫婦ふたりの老後生活費は月約22万円必要とか。
ところが厚生年金の平均受給額は、月に約16万円。つまり、毎月6万円が赤字です。
でも不動産投資なら、それを補う毎月の家賃が入ってきます。
1物件で、毎月9万円
3物件なら、毎月27万円。
生活を支えるには、じゅうぶんな金額です。
株やFXは、短期での値動きが大きく、短期で大儲けできる反面、大きく失うこともあります。
一方、不動産投資は、株価のように変動せず、月々の安定した収入をもたらします。
年金の不足分をカバーする、将来の不労収入になるのです。
メリット4 節税効果がある
- 減価償却費や経費計上で、所得税・住民税を軽減できる場合がある
- 特に高所得者は、税引き後の実質利回りが上がる可能性がある
不動産投資は、物件の経費(減価償却費、管理費、修繕費など)を計上することで、会計上の赤字を作り、所得税や住民税の節税(還付)につながる場合があります。
ただし、これには注意点もあり、節税効果をあまり過大に評価することは危険です。
この点については、後ほどご説明いたしましょう。
【3】不動産投資がカチリとハマる、不安の時代
物価上昇が確実視される時代。
現金の価値がどんどん下がっていき、老後の年金も期待できない。
そんな不安だらけの、いまの時代、不動産投資はこの問題解決に、カチリとハマります。
「自己資金は少ないけど、コツコツ会社で働いてきた信用があるから、思い切ってローンを組んでみようか」
「せっかくがんばって、貯金してきたのに、インフレで目減りする一方じゃ、やってられない」
そんな思いで、不動産投資に踏みだす人がふえています。
今回のテーマである「ワンルームマンション投資」は、その不動産投資の中でも、いちばん注目されているジャンルです。
単身者需要の高まりに、ワンルームマンション投資
少子高齢化やライフスタイルの変化によって、特に単身者(ひとり暮らし)用の賃貸物件への投資が好調です。
ワンルームマンションは、
- 空室になりにくい
- 資産価値も下がりにくい
- 価格帯が比較的低く、流動性(売りやすさ)が高い
これらの理由から、安定した投資先として注目されています。
特に「東京の中古ワンルームマンション投資」は、ブームと言ってもよいほどの大人気。
不動産にちょっと興味があれば、耳にしたことのある方も多いでしょう。
確かにそのとおり。
ワンルームマンション投資、中でも「東京の中古ワンルームマンション投資」は、現在、いちばんのおススメだと、わたしも思います。
「人気なのは知ってるけど、逆に怪しいんじゃない?」
「ワンルームマンション投資は儲からない、って聞いたけど?」
そういう批判もありますが
いえいえ。
実は、ワンルームマンション投資の本質って、単なる「儲け話」とは違うのです。
どちらかというと、
「リスクをどこまでとるか」と「情報の透明性」の話です。
次の章では、この「ワンルームマンション投資」の魅力について、ふたつの点から解説していきましょう。
ワンルームマンション投資の本質
【1】不動産投資をリスクの面から考える
「不動産投資って興味あるけど、何から考えればいいの?」
そんな疑問をお持ちの方もいるでしょう。
わたしは、不動産投資を検討するとき、まずは4つの側面から考えることが大切だと思っています。
1. リスク許容度(融資額の大きさ)
2. 初期費用(物件購入時の支払い能力)
3. 運用費用(運用を継続していく上での支払い能力)
4. 時間的コスト
この4つのポイントは、つまりは「自分がどれだけムリできるか」という確認です。
不動産投資を、心理的、物理的、時間的、いろんな角度で、自分にかかる負担やリスクの面から、考えていこうというわけです。
不動産投資は、あなた自身の価値観や、リスクに対する考え方に基づいて、種類を選ぶのが、いちばん大切。
この角度で点検していくと、みんなに人気の「ワンルームマンション投資」の魅力が、はっきり見えてきます。
なお、これは新築ワンルームマンションと、中古ワンルームマンションとでは、それぞれ異なります。
ここではおもに「中古ワンルーム」を念頭に置いて、読んでください。
1. リスク許容度(融資額の大きさ)
最初に考えるべきは、あなたが「どのくらいのリスクなら受け入れられるか?」ということです。
不動産投資にはさまざまな種類がありますが、その中でも特に、中古ワンルームマンション投資は最もリスクが低いと評価されています。
まず、なんといっても、物件そのものの価格が安い。
ほかの不動産が、少なくとも5千万~数億円のレベルなのに対し、ワンルームマンションの価格は、せいぜい4千万円止まりです。
金融機関から融資を受けてスタートする不動産投資。
億のレベルの融資をうけては、夜も眠れなくなる投資初心者が続出しそうです。
ワンルームマンションは、不動産投資にしては金額が低い。
また、物件選びによって、価格の下落を、限りなく低く抑えることができます。
とりわけ東京の中古ワンルームマンションは、価格に大きな変動が少なく、家賃収入も安定しています。このあたりは、のちほど詳しくお話ししましょう。
2. 初期費用(物件購入時の支払い能力)
ワンルームマンション投資は基本的に「区分所有」、つまり「マンションの一室だけを購入する」スタイルです。
少ない自己資金で、大きな資産をつくれる不動産投資ですが、中でもワンルームマンション投資の初期費用は低く、なんと自己資金ゼロでスタートする人もいるほどです。
ワンルームマンション投資の初期費用
- 物件価格:
1,500万〜4,000万円程度
- 自己資金:
10万円から始めることが可能
不動産投資の種類と初期費用の比較
1. 戸建て購入:
自己資金300万〜800万円必要
2. アパート・マンションの1棟買い:
自己資金600万〜1,000万円以上必要
3. 区分所有(1部屋購入):
自己資金10万円~
最近では、約8割の人が、10万円でワンルームマンション投資を始めています。
これは新築・中古の区別なく、どちらも自己資金10万円から始められます。
ワンルームマンション投資には、年収450万円の会社員、公務員の方なども参入しています。
物件が少額なので銀行融資も通りやすく、スタートしやすさは抜群です。
3. 運用費用(運用していく上での支払能力)
不動産投資は、物件を購入した後も、運用していく費用がかかります。
税金、空室期間、修繕工事などの費用は、不動産投資の種類で大きく違ってきますが、ワンルームマンション投資は、その費用が低いことでも知られています。
ワンルームマンション投資の運用費用
中古ワンルームマンション投資の、月々の運用費用(=キャッシュフロー:手出しの金額)
- マイナス10,000円〜プラス10,000円
なお、新築ワンルームマンション投資は
- マイナス10,000円〜マイナス30,000円
新築が赤字傾向であるのに対し、中古は比較的安定。赤字でも少額で、黒字になることもあります。
他の不動産投資との比較
- 戸建:
プラス30,000円〜(でも管理の手間が大変)
- アパート投資:
プラス30,000円〜200,000円(でも初期費用とリスクが高い)
実際の例:東京都・大森駅の物件の場合
- 月額収支:マイナス1,150円
- 年間収支:約13,800円の赤字
- 固定資産税を含めても年間約74,180円の負担
もともと家賃収入でローンを返済する仕組みのため、実質的な負担はかなり少ないのですが、この実例でも、年間7万円程度でマンションを所有することができています。
4. 時間的コスト
「投資に時間を取られて、本業がおろそかになったら本末転倒」
そう考える方も多いでしょう。
不動産投資を事業として考える場合、時間的なコストも重要な要素です。
時間的コストの比較
- ワンルームマンション投資:15時間〜200時間
- 戸建投資:500時間〜1,000時間
- アパート投資:2,500時間〜3,500時間
ワンルームマンション投資は、他の不動産投資と比較して、圧倒的に時間がかからないのが特徴です。
◇管理の負担がほとんどない
一棟アパートや戸建賃貸では、建物全体の管理・修繕をオーナーが直接やらなくてはなりません。
空室や設備修理など、けっこう頻繁に対応する必要が出てきます。
一方、ワンルームマンション投資では
- 建物の管理・修繕は、管理組合や管理会社がおこなう
- 大規模修繕費用は、区分所有者全体で分担する
- 「家賃管理」と「入居者対応」も、管理会社に丸投げできる
ワンルームマンションは、オーナーの負担が軽く、忙しい人や手間をかけたくない人にもってこいなのです。
業務の合間に資産形成したい方には理想的です。
5. ワンルームマンション投資は、低リスクで低コスト
ワンルームマンション投資は、リスクや諸費用、時間的コストなどをできるだけ軽くしたい価値観の方に向いた不動産投資です。
- 融資される額を低くして、リスクを下げたい人
- 初期費用や運用費を低くおさえたい人
- 時間をかけすぎたくない人
- 信用をうまく活用したい人
自己資金10万円から、小さなステップで。
そんな人たちに選ばれているのが、ワンルームマンション投資です。
【2】中古ワンルームマンション投資は、価格の透明性が高い
もうひとつ、ワンルームマンション投資が、投資家たちに安心感をもたらす本質的なポイントを、おさえておきましょう。
不動産投資を考えるなら、誰もが「この物件、本当に適正価格なの?」という不安を、一度はいだいたことがあるはずです。
実は中古のワンルームマンションは、物件の価格の根拠がとても明確なのです。
1. 価格を決めるのは不動産会社ではなく「銀行」
まず、驚くべき事実なのですが、中古ワンルームマンション投資の場合、物件の価格は、不動産業者が決めているわけではないのです。
どういうことかというと
1. 金融機関が物件を評価して「評価額」を決定
2. 不動産会社がその評価額に基づいて販売価格を設定
3. そこに不動産会社の利益幅を加えて最終価格が決まる
つまり、実際に価格を決めているのは金融機関(銀行など)なのです。
業者ではなく、銀行という第三者機関が客観的に評価した価格がベースになっているため、価格がはっきりわかりやすいのです。
◇「収益還元法」という計算方法
金融機関が物件価格を出すとき、使うのは「収益還元法」という方法です。
この計算式は公開されているので、だれでも価格の根拠を確認できます。
収益還元法の計算式
年間の手取り家賃 ÷ 還元利回り(実質利回り) = 評価額(物件価格)
「うわー、むずかしそう」と思うかもしれませんが、実はとてもシンプルです。
計算につかうのは
1. 年間の手取り家賃
- 家賃から管理費、修繕積立金などを引いた月額手取り収入
- これを12ヶ月分にしたもの
2. 還元利回り(実質利回り)
- 金融機関が物件の立地などに応じて設定する利回り
- 東京都心部の場合、3.5%から4.0%が目安
(「還元利回り(実質利回り)」とは、年間の家賃収入から、年間の諸経費(管理費・修繕費など)を引いた後の利回りのこと。経費を含めてない表面利回りより、実際に得られる収益を反映している)
たとえば、こんな物件があったとします:
- 月額手取り家賃:8万円
- 年間手取り家賃:96万円(8万円×12ヶ月)
- 還元利回り:4.0%
計算すると:
96万円 ÷ 4.0% = 2,400万円
つまり、この物件の適正評価額は2,400万円ということになります。
2. 価格の透明性がもたらすメリット
中古ワンルームマンションの価格は、業者ではなく、第三者的な金融機関がきめています。
この「価格の透明性」がもたらすメリットは、たくさんあります。
1. 安心して投資判断ができる
価格の根拠が明確なので、「騙されているのでは?」という不安をいだかずにいられます。
2. 客観的な比較ができる
複数の物件を検討する際、同じ基準で比較できるので、より良い物件をえらべます。
3. 交渉の材料になる
適正価格を把握していれば、価格交渉の際も、論理的な根拠を示せます。
- 金融機関が客観的に価格を評価している
- 計算方法が公開されていて誰でも確認できる
- 自分でも適正価格を計算できる
- 割高なのか割安なのかがわかる
こうした情報を、不動産投資家たちが得られるメリットは、とてつもなく、大きいことだと思います。
なお、この場合でも、不動産会社に割高物件を紹介されてしまうことがあります。
一番わかりやすい割高物件は、「自己資金必須物件」です。
諸費用ローンがあるにもかかわらず、「自己資金を出さないと物件を買えない」という不動産会社の提案もあります。
割高になってしまうので、この説明には必ず注意してください。
【3】ワンルームマンション投資は「儲け話」でなく「堅実で明確な資産形成」
ワンルームマンション投資の利回りは、不動産投資の中で決して高いものではありません。
中古ワンルームは、東京の都心部における還元利回り(実質利回り)で、おおよそ3.5%から4.0%。
アパート投資なら6.0%~は行くでしょう。
とはいえ初期費用も時間コストも、比較にならないほどかかりますが。
最初にも言いましたが、ワンルームマンション投資のおススメ理由は「ものすごく儲かる」からではありません。
リスクをおさえ、低い自己資金と少ない時間で、安心感のある資産形成をめざすことができる。
だから、ワンルームマンション投資は魅力的なのです。
「東京の中古ワンルームマンション投資」がえらばれる理由
さて、そこでいま不動産投資業界で大ブームの、「東京の中古ワンルームマンション投資」についてです。
数ある不動産投資の中でも、なぜ、この組み合わせがこれほど人気なのか?
それは「中古ワンルーム×東京」が、かゆいところに手が届く組み合わせだから。
その激アツな理由を見てみましょう。
【1】東京にどんどん人が集まっている
1. 日本中から単身者が流れこむ「一極集中」の現状
少子高齢化で地方の人口が減るかたわら、東京へは全国からどんどん人が流れこんでいます。
経済活動の中心である東京には、企業も集中。
資本金10億円以上の大企業の半数以上が東京に本社をかまえ、外資系企業の8割が東京に拠点をおいています。
再開発も頻繁におこなわれ、雇用が生まれて、また人が集まります。
《東京への驚きの人口流入データ》
- 2024年の転入超過数:
79,285人(2位の神奈川県の約4倍!)
- 過去20年間で約200万人の人口が増加
- 他の地域で人口減少が進む中でも、東京だけは別格
特に注目すべきは単身者の流入です。
東京に来る人の多くは、進学のための学生、就職で上京する新社会人、キャリアアップをめざす若い世代など。
2022年だけで、15歳から29歳の若者が9万人以上も増加しています。
彼らが求めているのは、
- ターミナル駅へのアクセスが良い
- 大企業が集まる駅へ乗り換えなしで行ける
- 駅徒歩10分以内の便利な物件
まさに、ワンルームマンションがターゲットとする層です。
2. 圧倒的な供給不足で、投資家に有利
そんな単身者層の需要に対して、ワンルームマンションの供給は、圧倒的に不足しています。
需給バランスの現実
- 2023年の新築ワンルームマンション供給:約2.9万戸
- 同年の単身者転入超過数:10.3万人
新築の供給不足は、中古ワンルームマンションの活況にもつながっています。
「古くなったら価値がなくなるのでは?」という不安も、東京なら心配なし。
都心部のワンルームマンションは、築年数が古い物件でも、管理や修繕がしっかりされて、入居者がつく部屋であれば、資産価値は残りつづけます。
場所が良ければ家賃も上がる傾向にあります。
東京ワンルームマンションの実績
- 平均入居期間:3.8年(長期安定)
- 平均空室日数:16日(すぐに次の入居者が決まる)
- 家賃上昇物件の割合:99%以上
- 平均家賃アップ額:10,048円
人口増加と賃貸需要で、東京のワンルームマンション市場は、中長期的に物件価格の維持・上昇を期待できる状況にあります。もちろん投資のリスクも低いといえるでしょう。
【2】なぜ「新築」より「中古ワンルーム」がおススメなのか?
東京では、築年数の経った中古ワンルームマンションでも、需要の高さと資産価値を維持できています。
実は、不動産投資という面では、新築より中古ワンルームマンションのほうが、ずっとお得なのです。
1. 新築は「新築プレミアム」で割高
新築マンションには業界用語で「新築プレミアム」と呼ばれる割高感があります。
これは価格の中に、いろいろな要素が盛りこまれているからです。
新築価格に含まれる要素
- デベロッパーの利益
- 人件費
- 広告宣伝費
- モデルルーム運営費
新築のマンションでは、これらがすべて、物件価格に上乗せされています。
さらに、現在、建設資材が高騰しています。
土地不足、土地価格の上昇なども加わって、新築の価格が上がっているのです。
同じエリア・同じ面積でも、新築と築10年の中古物件とでは、1,000万円以上の価格差があることも。
中古物件は、新築のような利益が乗っていませんし、新築と比べて3割から4割程度安い物件もあります。
2. 新築は家賃下落リスクが高い
さらに新築物件には落とし穴もあります。
新築は「新築プレミアム」な価格に合わせて、家賃も割高に設定されがちなため、空室リスクが高まり、途中で家賃を下げざるを得なくなることがあるのです。
新築物件の問題点
- 高額な価格に見合うように、家賃も割高に設定されがち
- 相場より高い家賃は長続きしない
- 退去後に家賃を下げる必要が生じる
- 収益悪化と物件価値下落のダブルパンチ
専門家によると、家賃が1,000円下がると物件価値が約30万円落ちるとも言われています。
これは避けたいリスクです。
3. 中古は価格の透明性が高い
前述しましたが、中古マンションの価格は、初心者でも計算式を知っていれば適正価格がわかります。
それは金融機関が「収益還元法」という計算式で評価額を出し、それをもとに物件価格が決められているから。
- 価格に透明性がある
- 適正な家賃設定の物件なら価値が安定
- 築年数が古くても、管理がしっかりしていれば資産価値は残る
- 好立地なら家賃が上がる傾向もある
デベロッパーが価格を決める新築に比べ、このわかりやすさと安心感。
他の物件と客観的な比較もできる点など、中古ワンルームマンションならではのメリットです。
4. 単身者のニーズにマッチ
東京に来る単身者が求めているのは:
- 賃料が手頃
- 立地が便利
- 必要十分な設備
つまり、高級な新築である必要は、まったくないのです。
中古のワンルームマンションの必要性はますます高まっています。
【3】投資初心者こそ「東京の中古ワンルームマンション投資」
「東京の中古ワンルームマンション」は、ワンルームマンション投資のもつ「低リスク・低コスト」の特徴に加えて、非常に安定した需要を見込める状況にめぐまれています。
リスクをコントロールしやすい
- 価格が透明で適正
- 需要が安定している
- 資産価値が下がりにくい
お金を効率的に使える
- 新築より3~4割安く購入可能
- 家賃下落リスクが少ない
- 安定した収益が期待できる
時間を効率的につかえる
- 管理の手間が少ない
- 空室期間が短い
- 安定した運用が可能
東京という立地の優位性と、中古物件の合理性。
この組み合わせがいま、「東京の中古ワンルームマンション投資」を大ブームにさせているのです。
他の不動産投資の種類の中で最もリスクが低い中古ワンルームマンション。
ワンルームマンション投資は、地方の高利回りアパートなどと比べたら、利回りは決して高いとはいえません。
でも、単純な利回りの高さより、低リスク、低い自己資金、安定した家賃収入といった多角的な視点からみて、その優位性ははっきりしています。
お金と時間を効率的に使い、リスクをおさえて合理的に資産形成をめざそうとする人にとって、東京の中古ワンルームマンション投資は、特に向いているといえるでしょう。
とはいえ、何から始めたらいいかわからないという人も多いかと思います。
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どこで何を見落としたのか?不動産投資のトラブル
ワンルームマンション投資が、リスクやコスト面から、たいそうメリットのある不動産投資だというのをみてきました。
とりわけ東京の中古ワンルームマンションは、一極集中の人口流入で、需要が高く、値下がりしにくい有利な選択でした。
ところが、このワンルームマンション投資で「失敗した」と後悔する人が、わたしのところに何人も相談をもちかけてきているのです。
人気の高い東京23区内の中古ワンルームマンション投資でさえ、そうです。
いったいどこが悪かったのか?
どこに注意をすればよかったのか?
わたしのもとには、不動産投資で悩み、苦しむ方々が、たくさんの声を寄せてくださっています。
この章ではそんな方々の声をとりあげ、その失敗の原因を考えていきます。
【1】不動産投資で後悔する人たち
わたしのもとには、これまでに2,500人を超える投資家が、悩み相談にいらっしゃいました。
不動産投資をしたが、月々赤字になって困っているというのです。
みなさん、口をそろえて、こうおっしゃいます。
「担当営業マンが言っていたことと、実際がぜんぜん違う」
不動産会社の「〇〇だから大丈夫ですよ」という言葉をそのまま信じていたが、実際には、想定外のことが起きてしまった、というのです。
この〇〇には、いろんな言葉が入ります。
「うちは、たくさん物件をもっているから、大丈夫ですよ」
「家賃保証があるから、大丈夫ですよ」
「修繕保証があるから、大丈夫ですよ」
お話を聞いていて胸が痛みます。
聞けば確かに、その担当営業マンが言ったというひとつひとつの言葉は、ウソではありません。
ただ、その言葉の裏には「言っていない情報」「あえて言わない情報」があるのです。
たとえば、営業マンから、こんな言葉を言われることがあります。
「入居率98%だから安心ですよ」
これは「わたしたちの会社の物件は、入居率98%以上だから、空室リスクが低いですよ」という言葉なのですが、この「入居率」というセリフは、気をつけたほうがよいのです。
というのも、そもそも不動産会社によって「入居率」という言葉は、定義や計算方法がたくさんあるからです。
この言葉の裏には、いろんな事情がかくれています。
- 最も入居率が高い月だけを基準にする
- 「空室」の定義を「1ヶ月以上空室の物件のみ」とする
- 退去から新入居までの期間を、「空室」としてカウントしない
- グループ会社全体の数字と個別会社の数字を混同させる
- 管理戸数と稼働戸数の計算基準が異なる
要するにこの指標、単なる不動産会社のブランディングで、まったく当てにならないのですね。
この実態を確認するには、
「入居率の定義と計算方法を具体的に教えてください」
と質問するのがベストなのですが、そんなことを質問できる投資家は、そうそういるものではありません。
不動産業者と不動産投資家のあいだには、圧倒的な情報格差があります。
この情報格差をなんとかすることが、こうした後悔を生まない道なのですが…。
ここではもう少し、不動産業界のかかえる問題を見ていきましょう。
【2】不動産業界のかかえる構造的な問題
1. 大手業者だから安心とは限らない
まず、はっきりお伝えしておきます。
担当者が大手の不動産会社の所属だから安心…不動産投資でそう考える人が、とても多いのですが、いやいや、それは待ってください。
確かに大手企業には一定の安心感があります。
不動産という大きなものを購入するとき、大手のビッグな名前に頼もしさを感じてしまう気持ちは、ものすごくよくわかります。
でも、大手不動産会社は、そもそも構造的な弱点をかかえているのです。
2. 大手企業は運営コストが高い
大手企業は、本社ビル、支店網、大規模な営業組織を維持するため、高額な固定費をかかえています。
広告なども積極的に出しています。
これが意味すること、おわかりになりますね。
つまり、もともと運営コストが高いのです。
この運営コストを回収するため、会社は、大量の物件を仕入れて販売しなくてはなりません。
結果的に、物件の質より販売量を重視する傾向がうまれます。
3. 大手企業は営業手法が画一的
これは、わたしも大手不動産会社にいたため、わかるのですが、大手では、だいたいの営業手法がマニュアル化されています。
会社の方針として、特定の物件や金融機関を、優先的に紹介するよう指導されているところもあります。
また、営業マンのひとりひとりは、そもそも物件の収益性や将来性を深く分析する訓練を受けていません。
そのような分析・調査は、業務の項目にはないのです。
だから営業の仕方は、どうしても画一的になってきます。
お客さんの状況に応じた、きめこまやかな提案は、なかなかむずかしいと言えるでしょう。
4. 大手企業は在庫回転の圧力がすごい
豊富な在庫をかかえる大手企業では、在庫の回転率を上げるのが、重要な経営指標となります。
在庫をたくさん持っているというのは、それだけ多くの物件を仕入れていることです。
でも、その中のすべてが優良物件なのでしょうか?
むしろそこには「売れ残っている物件」や「利益率の低い割高な物件」が含まれてはいないでしょうか?
それでも売らなければならない、というプレッシャーは、それぞれの営業マンにかかってきます。
【3】不動産業界のかかえる根深い問題
会社の利益を上げよう、在庫を回転させなくちゃ…これは大手業者に限ったことではありません。
多くの不動産会社の営業担当者は、基本的に、会社が用意した営業トークやセールス資料にもとづいてセールスしています。
彼らはまず、会社の利益を最優先に考えるよう指導されています。
だから顧客の長期的な資産形成より、会社に都合のよい、短期での成約を重視します。
そこで会社のマニュアルに沿って、在庫をどんどん売っていくのですが、その中にはもちろん、優良物件とはいえない物件も含まれています。
1. なぜ優良物件だけを売りつづけることができないのか
誰もが気づくことですが、そもそも優良物件の絶対数は限られています。
東京都内であっても、本当の優良物件、つまり「長期的に安定した収益を生み出し、資産価値を維持できる物件」は全体の1割程度と言われています。
東京都内であっても、です。
しかし不動産会社は継続的に売上を上げる必要があります。
優良物件だけでは事業を維持できません。
そのため、優良ではない物件でも、在庫処分の観点から、積極的に営業せざるを得ないのです。
2. 不動産業界の収益構造をみてみよう
不動産業界の収益構造を見てみると、なぜ業者が優良物件だけを扱うことがむずかしいのかが、見えてきます。
《不動産会社の、収益の内訳》
収入
- 仕入物件と販売物件の差額:300万〜400万
支出
- 人件費:営業担当者1人あたり月額50万~100万円程度
- その他経費:事務所賃料、広告費、システム維持費など200万円程度
3,000万円の物件を月1件成約しても、利益は、約50万~100万円です。
会社的にはギリギリ採算が合う程度。
いろいろな経費も含めれば、赤字が出てしまうかもしれません。
どうしても、より多くの成約が必要となってきます。
また、不動産会社によっては割高物件のみを紹介している会社もあり、その場合は仕入れ物件と販売物件の差額が400万~600万円ほどになる会社もあります。
そうなると購入者が損する物件になってしまうため、しっかり精査しなくてはいけません。
3. 売上重視!「量を売らなきゃ赤字になる」構造とは
会社が売るのを急ぐ理由は、ほかにもあります。
不動産の仲介・販売業界の収益構造は、基本的に「成功報酬型」。
つまり、委託された物件が売れて初めて手数料収入が発生します。
一定の販売件数を維持しなければ、会社の運営そのものができません。
しかも、在庫が長期間売れ残ってしまうと、保有コストがかかります。
そこで販売業者は、質よりも販売件数を重視し、お客さんの長期的な利益より、即座の成約を優先したくなってしまうのです。
これは決して業者に悪意があるわけではありません。
いわば不動産業界の構造的な問題、ビジネスとしての合理性から、おのずとそうなってしまうと言いましょうか…。
売れ残り物件を何とかして販売しなくては、というプレッシャー。
月次・四半期の販売目標が課される、きびしいノルマ…。
これでは、営業担当者が「投資家にとって最適な物件」ではなく「会社にとって売りやすい物件」を優先してしまうのは、自然なことかもしれません。
4. 不動産業者は、会社にとって売りやすい物件を売っている
不動産業者にとって、売りやすい物件とは何でしょう?
たとえば「説明しやすい物件」は、総じて成約率が高くなります。「説明しやすい」とは、いわゆるセールストークに紐づけできる物件です。
また、仕入れ価格と販売価格の差が大きい物件は、利益率が高いので、優先して売りたいと思っています。
不動産業者に「本当の物件選び」は、教えてもらえないと考えたほうがよいのです。
しかし、ここが肝心なのですが、「不動産投資」の成功は、あくまで物件そのもののポテンシャルにかかっています。
物件選びが、すべてを制するのです。
重要なのは、在庫の量ではなく、在庫の質。
だからあなたは、確認しなくてはなりません。
- 提案される物件がほんとうに自分の目的に合っているのか
- 他の選択肢の可能性もじゅうぶん検討されているか
- 会社の都合による時間的な制約を理由に、急がされていないか
あなたは性急に契約をすすめられていませんか?
急がせられているなら、それは会社の事情です。
お金を払うあなた自身の事情を中心に、よく考えなくてはいけません。
【4】魅力的なワード、それはセールストークです
不動産業者は、物件によく魅力的なフレーズをつけています。
営業現場でよく使われる誤解を生む表現。
あなたも聞いたことがあるかもしれません。
A「空室になっても家賃が保証されているので安心です」
B「リスクゼロで投資できます」
C「プロが管理するので手間いらずです」
こういう表現ひとつひとつの裏には、言葉にされていない、いろんな意味がこもっています。
Aのセリフの裏(家賃の保証料をいただきます)
Bのセリフの裏(家賃減額で相殺するので、問題ありません)
Cのセリフの裏(オーナー都合での契約解除は、しにくくなりますが)
しばしば指摘されていることですが、「サブリース(家賃保証)契約」などは、その有名な例でしょう。
サブリース契約は「空室になっても家賃保証がつくので安心です」という言葉で、「空室リスク」への不安を解消しようとする営業手法です。
実はこれ、たくさん問題点があり、知らずに始めるとトラブルに巻き込まれるかもしれません。
考えられるトラブルを、ざっくり挙げてみましょう。
◇高額な手数料が発生する
「家賃保証」のため、通常、家賃の10%から20%といった高額な手数料が発生する。
実際に空室になった場合の損失を、大幅に上まわる費用負担となることが多い。
◇家賃保証が減額される
保証される家賃額は定期的に見直され、減額される可能性が高い。これをめぐるトラブルは非常に多い。
◇契約解除がむずかしすぎる
サブリース契約は「借地借家法」が適用される賃貸借契約とみなされて、オーナーからの解約は「正当事由」がない限り、きわめて困難。
◇売却価格が低くなる
サブリース契約中の物件は、相場よりも約300万円ほど安価でしか売却できない傾向がある。
「家賃保証」という、不動産投資家にとってはあまりにも魅力的な言葉のウラには、危険がいっぱい詰まっているのです。
このサブリース契約には、消費者庁、金融庁、国土交通省も注意喚起をおこなっています。
ほかにも、いくつかのワードを見ていきましょう。
(1)「定額プランで修繕費用も安心」
これは、その修繕保証つき定額プランが、実際の費用に対して「費用対効果が良いか」を冷静に分析する必要があります。
多くの場合、支払う保証料が、実際の修繕費用や設備交換費用とくらべると、大幅に高額なケースが見られます。
たとえば、平均的な原状回復工事費用や主要設備の交換費用は、月額に換算すると、合計で約3,000円程度。
これをかなり上まわる月額費用は、割高である可能性が高いです。
確認すべきポイント
- 月額保証料 vs 実際の修繕費用の比較
- 保証対象となる修繕項目の詳細
- 保証対象外となる項目(大規模修繕など)
- 保証期間と更新条件
突然の修繕発生を不安に思う投資家の気持ちに、するりと入り込んでくる言葉ですね。
(2)「提携金融機関が多数あります」
提携金融機関の多さは、必ずしも投資家にとってメリットとは限りません。
また、「不動産会社が紹介してくれる金融機関で融資を受ければ問題ない」と考えるのも、実はあぶない思い込みなのです。
というのも、金融機関によって、次の条件は大きく異なります
- 金利水準:
1%台から3%台まで大幅な差がある
- 融資期間:
25年から35年まで選択肢が異なる
- 頭金の要求額:
フルローンから物件価格の20%まで様々
- 審査基準:
年収、勤務先、勤続年数などの重視ポイントが異なる
同じ物件・同じ購入者でも、金利が1%違うだけで、総返済額は数百万円変わることがあります。
不動産会社が紹介する金融機関が、必ずしも最適な条件とは限りません。
むしろ会社の都合で、特定の金融機関に誘導され、金利や条件の検討が不十分になることもあります。
そのうえ、頭金や諸費用などの自己資金を必要とする不動産会社もあるため、割高物件をつかまされることもあります。
割高物件は、購入者からするとリスクが高まります。また、有利な条件をのがさないため、借り入れする金融機関の順番を間違えないことも大切です。
必ず複数の金融機関を比較検討し、慎重に契約を進めてください。
(3)「再開発が来るから物件価格が上がります」
実は、大阪や名古屋のような地方都市の再開発が来るからと言って、不動産価格が上がるわけではないのです。
売却利益がとれるようなセールストークがときどき見られますが、実際は違うので注意が必要です。
(4)「大きな節税効果があります」
「不動産投資で大幅な節税ができる」という説明に魅力を感じて投資を始める人が多いのですが、これは最も危険な動機のひとつだと、わたしは考えています。
節税効果は一時的なものです。
まず、節税効果は購入初年度がピークで、年々減少していきます。
また、次のような制限とリスクがあります。
- 金額が限定的:
節税効果は「支払った税金の範囲内」に限定される
- 売却時の税負担がある:
物件売却時には譲渡所得税が発生。過去の節税効果を相殺する可能性も
- 年収による制限:
年収700万円以下では節税効果が薄く、むしろ損失となるケースも多い
節税はあくまで副次的な効果。ここを誇大に言う業者には、用心しなければなりません。
以上、これらはセールストークの、ほんの一部です。
こういったトークに共通しているのは、都合の良い部分だけを強調し、リスクや制約については、ほぼ説明しない点です。
おいしそうな話を聞いた時ほど、その裏側にリスクや制約がかくれているのではないかと考えて、納得できるまで、説明を求めなくてはならないのです。
【5】必要なのは「言語化」と「数字で考えること」、そして「情報収集」
不動産投資の裏には、さまざまな意味が隠されており、いろんな投資家が、自分の判断を後悔させられる状況となっています。
これは、不動産業界の情報が一般投資家には見えにくく、業者と投資家の情報格差が非常に大きい点からきています。
そこで、不動産投資を成功させるために、ほんとうに大切なことを3つお伝えしておきます。
1. 数字にこだわること
2. 判断を言語化すること
3. 情報収集、セカンドオピニオン
「良い物件とは何か」
「適正な価格とは何か」
「許容できるリスクとは何か」
こういったことを理解するには、営業担当者からの情報を鵜呑みにするのではなく、自分で情報の真偽を確認する姿勢が大切です。
それには、まず、数字にこだわること。
そして、判断の理由を明確に言語化することです。
数字で確認できることは、いろいろあります。
- 物件価格の適正性(周辺相場との比較)
- 家賃収入の妥当性(利回り・周辺相場との比較)
- ローン条件の有利性(金利・期間・諸費用)
- 運営コストの妥当性(管理費・修繕積立金・税金)
- 将来的な収支予測(家賃変動・空室率・売却価格)
数字で考えるなら、客観的で再現性のある判断基準をもつことができ、ほかの選択肢との比較もできます。
リスクが定量化できるのも、大きなメリット。
日ごろから少しずつ、数字にこだわる習慣をつけておくと、自分を強い投資家にすることができます。
また、次のようなサイトで情報を集めると、営業担当者の説明が事実に基づいているか、確認もできます。
《情報を得るサイト》
- 国土交通省の不動産取引価格情報
- 各自治体の人口動態データ
- 賃貸ポータルサイトでの相場調査
- 金融機関の融資条件比較
- 同じマンション・同じエリアの売買・賃貸実績
とはいえ、これらが、なかなかむずかしいのも、わかります。
わたしは、大手不動産会社に勤務していた経験もあるので、一般投資家の方々の、実際に情報を得るむずかしさ、情報を得る方法すら、よくわからない状況も見ています。
実は不動産購入って、
「なんとなく良さそう」という印象
営業担当者への好感度や遠慮
「早く決めないと他の人に取られる」という焦りや思い込み
そんな感情的なもので、判断してしまうことが、ものすごく多いのですね。
大きな判断をするときほど、人はそうなります。
だから、おススメなのは、
不動産で大きな判断をする際の「セカンドオピニオン」です。
この「セカンドオピニオン」という言葉は、ふだん、お医者さんの診断について使います。
病気のとき、複数のお医者さんに行って診断してもらうのを「セカンドオピニオン」といいます。
複数の専門家の意見を聞くことで、選択肢をふやし、見落としや失敗をふせごうという、リスクマネジメントです。
わたしが申し上げたいのは、この不動産投資でも、セカンドオピニオンが必要だということです。
ひとつの不動産会社の情報だけでは、判断材料があまりにも不十分ではありませんか?
ひとりの担当者の言葉だけで、あなたの人生がかかっている不動産購入を、決めてよいのでしょうか?
不動産投資は、大きな問題です。
不動産選びも、病気のときのように、別の専門家の診断が必要なのではないか。
その思いで、わたしは「不動産投資のお医者さん」と名乗り、投資家の方々が相談できる、不動産投資セカンドオピニオンの窓口をひらきました。
わたしは利害関係のない、第三者的な不動産専門家です。
その第三者的な専門家の目を通すことで、投資家の方々は、自分では気づかなかったリスクに気がつくことができます。
それは、あなたと業者との圧倒的な情報格差を解消することになるのです。
わたしが「不動産情報を伝える人」になった理由 ―― 投資家の後悔をゼロにするために
1. 空室対策から始まったキャリア
ここで、わたしが「不動産投資のセカンドオピニオン」を提唱するに至った理由を、お話しておきます。
わたしは、新卒で、不動産業界に入りました。
会社での最初の仕事は、空室対策でした。
当時、多くの不動産オーナーが「なかなか決まらない空室」に頭を悩ませていました。
物件を購入したものの、入居者がつかない。
家賃を下げても決まらない。
そういった相談が後を絶ちませんでした。
空室対策の仕事をしているうちに、わたしは重要な事実に気づきました。
同じエリア、同じ価格帯でも、空室期間が長い物件と短い物件があるのです。
そして、空室が長い物件と短い物件は、それぞれはっきりした特徴をもっているのでした。
つまりは、物件そのものの特徴で、空室の有無が決まる。
不動産投資は、物件選びの段階で、成功・失敗がほぼ確定してしまう。
それはわたしにとって、非常に大きな発見でした。
物件選びですべてが決まる。
そのことは、現在のわたしの考え方の基本の軸となりました。
2. 売却相談で見えた「後悔する投資家たち」の現実
そのうちわたしは、空室対策の実績が認められ、「物件を手放したい」という売却相談も、数多く受けるようになりました。
もちこまれた数々の売却相談の、ごく一部をご紹介しましょう。
これらのご相談を聞いて、当時のわたしは、本当に途方に暮れてしまいました。
「節税できるって言われたのに…」
「年収800万円だから大幅な節税ができると説明されて購入したが、実際の還付額は年間20万円程度。月々の収支は3万円のマイナスで、年間36万円の持ち出しになり、節税効果を考慮しても、年間16万円の損失になっている」
「家賃保証があるから安心と言われたのに…」
「購入時は月額8万円の家賃保証だったが、2年後に7万円、4年後に6万円まで下がった。保証手数料を差し引くと手取りは4万8千円で、ローン返済額5万5千円を下回り、毎月7千円の持ち出しがつづいている」
「都心だから賃貸需要は安定していると言われたのに…」
「渋谷区の物件を購入したが、最寄り駅から徒歩12分で坂道があり、競合物件も多く、空室期間が3ヶ月以上続いた。家賃を8万円から7万円に下げてやっと決まったが、収支が大幅に悪化した」
「再開発や新駅の影響で物件価格が上がると言われたのに...」
「名古屋のリニア鉄道がくるからといって、2000万円台の新築ワンルームマンションを購入したが、空室期間が6か月もある。マイナスが続くので、売ろうとするが買い手がつかない」
これらはほんの一例ですが、似たようなケースは山ほどありました。
次から次へと投資家の方々から持ち込まれる相談に、わたしは深い衝撃を受けました。
ショックだったのは、その多くの投資家が「物件そのもの」ではなく「自分の最初の判断」が悪かったと言っていることでした。
しかしそのトラブルの大半は、適切な情報と判断基準さえあれば、防げたものだったのです。
さらにショックだったのは、その投資家の方たちがみんな、物件を紹介した業者を責めず、自分自身を責めていることでした。
しかし実際は、その失敗のほとんどが、じゅうぶんな情報が提供されず、明確な説明を受けていなかったためなのです。
不動産業者と投資家の、圧倒的な情報格差が、この状況を生み出しているのでした。
売る側は豊富な情報と経験を持っている。
一方、買う側(特に初心者)にあるのは、ほんのわずかな情報だけ。
この不均衡が、投資家の判断を誤らせる根本的な原因なのだ、とわたしは強く強く感じました。
3. 「売る人」ではなく「伝える人」になると決めた
1,000人を越える、後悔する投資家たちの声を聞く中で、わたしは、ある決意を固めました。
「売る人」ではなく「伝える人」になろう
不動産業界の多くの人は「売ること」を目的としています。
そのため都合の良い情報は強調され、都合の悪い情報は伝えられない傾向があります。
しかし投資家が本当に必要としているのは、本物の「情報」、それも「利害関係のない立場から、メリットもデメリットも包み隠さず伝えてもらうこと」なのです。
「不動産情報を伝える人になろう」と決心したとき、わたしは、次のことを大切にすることを決めました。
- 物件のメリットだけでなく、デメリットも正直に伝える
- 業界の裏事情や構造的な問題も、包みかくさず説明する
- 投資家の状況に応じて「買わない方がよい」場合も、率直にアドバイスする
- 長期的な視点で投資家のメリットを最優先に考える
自分の顧客には絶対に後悔させたくない。
そういう強い気持ちが、心の底から湧き起こってきたのです。
4. 実際の活動と実績 家賃アップで資産価値が大幅増!
その後、わたしは、「不動産のお医者さん」として、いろいろな方の不動産投資のご相談に乗るようになり、今では2,500件を越えるご相談を受けています。
セミナーやオンライン講座などでも活動するようになりました。
わたしは、今まで紹介した物件で「空室と家賃下落がゼロ」という実績を維持しています。
これは偶然ではなく、徹底したリサーチと高い物件選定基準によるものです。
キャリア初期に、空室対策に関わっていた経験から、わたしは空室、そして家賃というものが、どの情報、どんな数字に関わっているかを、詳細に知ることとなりました。
マンション投資では、家賃が上昇すると、収益還元法に基づいて物件の評価額も高くなります。
家賃が上がることで、物件の利回りも高まり、結果として資産価値が上昇するという仕組みです。
たとえば、家賃が3,000円上がることで、物件の資産価値はおよそ90万円ほど上昇します。
資産価値の向上は、将来的な売却時のキャピタルゲイン(買ったときより高く売れる値上がり益)にもつながっています。
このような対策は、感覚や経験に頼らず、あくまで数字に基づいた分析を徹底するところから始まります。
わたしが以前ご紹介した物件では、購入時の家賃が8万円だったところを、3年後に9万円にアップしました(資産価値で300万アップに貢献)。
この家賃1万円アップに、オーナーの方は非常に驚き、感謝してくださいましたが、実はこの背景には、当初から、次のようなリサーチと分析がありました。
立地分析:
最寄り駅の乗車人員数が年々増加傾向にあることを確認
競合分析:
半径500m以内の類似物件の家賃相場が上昇傾向にあることを把握
物件価値の向上:
管理会社と連携した共用部の美化と設備の小規模改善
適切なタイミング:
入居者の更新時期に合わせた家賃改定の提案
わたしは相談相手であって、売り手ではありません。
しかし、目の前の物件を買おうか迷っている方に対して、もっとよい物件があれば、時折ご紹介したりもします。
- 立地条件や、築年数、管理条件、競合との差別化ポイント、適正家賃の厳密な算定などの「物件選定基準」の確認
- 周辺相場の変動チェック、競合物件の入居状況モニタリング、エリアの開発計画や、入居者ニーズの変化の把握といった「継続的な市場分析」
こうした詳細なリサーチと戦略のもと、ご紹介した物件の平均家賃アップ額は、3,000円を超えています。
日々、リサーチと分析を重ね、数字で判断しつづけることが、「後悔させない不動産投資」の実現への、わたしなりの責任であると、考えています。
失敗しない物件の選び方 ―― “本当に選ぶべき1割"を見極める技術
【1】よくある物件選びの落とし穴(不動産一般)
投資家の失敗の多くは、「物件選び」の段階で、すでに方向を誤っているケースがほとんどです。
外観、利回り、立地など、営業担当者の言葉と、自分自身の直感的な印象とで、なんとなく決めてしまっているわけです。
でも投資家として重要なのは、感覚ではなく数字やキャッシュフローで評価する視点です。
まずは、物件選びでよくある思い込みを挙げてみましょう。
1. 綺麗なマンションなら大丈夫
外観やエントランスがきれいなマンションに惹かれ、「これは当たり物件だ」と思い込んでしまう方が少なくありません。
しかし、見た目のきれいさと収益性は別ものです。
新築はきれいですが、経費や諸費用が上乗せされ、「新築プレミアム」と言われるほど、価格が跳ね上がります。
また、新築は価格下落が大きいので、そこも加えて考えなくてはなりません。
一方、中古物件の場合、リフォーム済みで見た目がよくても、家賃相場に対して割高だったり、管理費・修繕積立金が重くのしかかることもあります。
ところが、「見た目で直感的に」という誘惑にひかれる投資家の人は、とても多いのですね。
特に危険なのは「自分も住みたい」という気持ちで、物件を選んでしまうことです。
投資物件は、あなたが住むためのものではありません。
ターゲットとなる入居者(新社会人、単身者など)のニーズに合致しているかどうかが、大切なのです。
2. 高利回り物件が良い
表面利回りに惹かれて飛びつくと、空室リスクや資産価値の下落に悩まされます。
特に地方物件は人口減少や賃貸需要の低下に直面しており、「出口がない」状態に陥りやすいです。
短期の収益性だけでなく、流動性(売却しやすさ)や市場トレンドを踏まえた投資判断が必要です。
3. 立地が良ければ安心だ
駅近・繁華街・都心エリアといった「良い立地」であっても、実はそれだけでとびついてしまうのは、リスクがあります。
というのも、良い立地は、競合が多すぎて空室リスクが上がることがあるからです。
需要が一時的に集中しているエリアでは、供給過多になることもしばしばです。
立地だけで何も考えずに選ぶのではなく、競合の物件、差別化ポイント、周辺の入居状況なども見なくては、判断はむずかしいところです。
ほんとうの意味で「選ばれる物件」であるかどうかは、マーケットの需給構造を、ていねいに観察することが必要なのです。
4.東京23区内の中古ワンルームなら大丈夫
東京は、確かにエリアとしての安定感はありますが、すべての23区が均質に安定しているわけではありません。
荒川区・足立区などは空室期間が長引きがちで、期待ほどの利回りが出ないケースも見られます。
また、すべての都心物件が高い賃貸需要を持つわけではなく、同じ都心でも、駅からの距離、周辺環境、建物の質、間取りの使い勝手などによって、賃貸需要は大きく変わります。
特に注意が必要なのは以下のようなケースです:
- 最寄り駅から徒歩10分以上かかる物件
- 周辺に競合物件が多すぎる立地
- 建物の管理状態が悪く、外観が劣化している物件
- 間取りが使いにくく、現代のライフスタイルに合わない物件
「都心だから大丈夫」と考えてしまうのではなく、具体的な立地条件と物件の特性を、注意深く確認することが必要です。
5. 東京でキャッシュフロープラスはない
東京のマンション投資で、キャッシュフロープラスはない。
つまり、東京で、月々、赤字が出ずに運用できることはない。
これは営業マンがよく使う言葉ですが、実を言うと、黒字でイケる物件も、探せば存在するのです。
条件のととのった中古物件で、金利とローン期間を適切に設計すれば、キャッシュフローがプラスになる物件は、じゅうぶんにあります。
情報の質と精度がものを言う世界です。
雑な比較や平均的な利回りだけで判断せず、数値と戦略を組み合わせたシミュレーションが欠かせません。
6. 月額収支マイナスでも、仕方ない
これも前の項目と似ていますが、マイナス収支を「仕方ない、当然だ」と考えてしまうのは、本末転倒です。
「最初はマイナス収支でも、家賃収入でローンを返済しながら資産が築けるので問題ない」
担当者のこういった説明でそのまま納得してしまう方も多いのですが、それは少々待ってください。
不動産投資の本質は、「他人のお金(入居者の家賃)で資産を築くこと」にあります。
毎月自分のポケットからお金を出しつづけるのであれば、それは投資ではなく「不動産の積立購入」。
マイナス収支を続けることは、なかなか深刻な問題です。
- 長期間にわたって家計を圧迫する
- 予想外の出費(修繕費等)が発生した際の対応力が低下する
- 投資効率が悪く、他の投資手段と比較して劣る可能性が高い
- 売却時に損失が発生するリスクが高まる
こうした状況を、業者の言葉で「仕方ない」と思っているのなら、ここは少し対策を立て直す必要があるかもしれません。
【コラム】実例から見る 不動産投資の成功事例・失敗事例
ここでは不動産投資の現場をちょっとのぞいてみましょう。
実際の成功事例、失敗事例にふれて、よかった点、悪かった点を確認してみてください。
1. 成功事例:都内好立地・築古・低価格のバリュー投資
Aさんは、都内の駅徒歩5分圏内、築28年の中古ワンルームマンションを1800万円で購入しました。
利回りは約4.8%。築古ですが、管理状況が良好で、修繕積立金の積み立ても着実におこなわれており、購入時点での空室リスクも少ないエリア。
Aさんは家賃設定を周辺相場に忠実にし、入居者ターゲットも単身社会人にしぼった結果、購入から3年経った今も、継続入居が続いています。
このように「築年数」よりも「管理状況」や「立地の実需」を重視する姿勢が、功を奏した好例です。
2. 失敗事例:地方新築ワンルームでの表面利回り幻想
Bさんは月負担▲5千円という少額物件、地方都市の新築ワンルームに2,000万円で投資しました。
しかし入居者が定着せず、1年で退去。
その後半年間空室が続き、月々の赤字が重なった結果、ローン返済が困難になり、やむなく損切りで売却。
最終的に400万円以上の損失を被りました。
新築や高利回りという言葉に惑わされると、実際の空室リスクや管理コスト、出口戦略のむずかしさが見えなくなってしまう危険があります。
【2】物件選びのチェックポイント
不動産投資の成功は、「物件の質」「適正価格での購入」「適切な運営」の3つがそろって、初めて実現します。
成功している投資家は、まず、こんな手順で、物件をチェックします。
1. 立地・物件の収益性を精査
2. 適正価格での購入可能性を検証
3. キャッシュフローとリスクを分析
この物件は買ってよいのか、それともやめておいたほうがよいか。
この章では、物件選びで着目すべき、7つのチェックポイントを紹介しましょう。
1. 物件の適正価格を判断するには?
物件価格の適正性は、金融機関の「収益還元法」を基準に判断します。
物件価格は不動産会社ではなく、提携する金融機関の評価額によって決まることが多く、その評価は「年間収入÷利回り=物件価格」という計算式で算出されます。
東京のワンルームマンションの実質利回りは、一般的に3.4%から4%が目安です。
現在の入居中の家賃が周辺相場よりも高い物件は「割高物件」。
将来の家賃下落リスクや資産価値下落リスクを把握する必要があります。
販売価格は、同エリア・同築年・同仕様の成約事例と比較して判断します。
不動産会社が提示する「参考価格」は高めに設定されがちなので、自分でREINSや土地総合情報システムなどで成約事例を調べる習慣が大切です。
【注意】複数の金融機関で評価を比較
なお、金融機関によっては、評価額が高く出すぎるケースもあります。そのため、異なる金融機関の評価を比較検討することも大切です。
実は、金融機関ごとに条件も異なります。
- 金利
- ローン年数
- 手数料
- その他の融資条件
これらを総合的にチェックして、最適な条件を見つけましょう。
2. 空室リスクと家賃下落リスクを回避するには?
これは家賃の適正性を、まずチェックしなくてはなりません。
現在の家賃が、周辺相場より高く設定されている場合は、要注意です。
周辺相場より高すぎる場合、その部屋は、遠からず空室になってしまいます。
適正家賃かどうかは、SUUMOやHOME'Sなどで1人暮らし用の同エリア物件を複数チェックしましょう。
築年数・階数・設備などを加味した実質的な比較がカギとなります。
ちなみに、入居中の家賃が相場よりも高く設定されている物件は、金融機関の評価上は高く見えても、実質的には割高な「地雷物件」の可能性があります。
将来の家賃下落だけでなく、物件価値も下がるリスクがあるので、要注意です。
3. 立地を見るには?
「大学・病院・大企業の社宅」など、長期的に安定した需要がある立地かどうかを、見極めましょう。
駅近であっても、エレベーターなしの4階などは避けられる傾向にあります。
行政の都市開発計画や人口推移、周辺の再開発計画も、確認しておきましょう。
将来にわたって人口が増え続ける需要の高いエリア、特に東京は一極集中で賃貸需要が高く、家賃も上昇傾向にあります。
新社会人や単身者が求める「ターミナル駅へのアクセスが良い」「駅から近い」といった条件を満たす物件は強いですね。
4. 総戸数から地雷物件を避けるには?
管理と費用の両面で安定しているのは、バランスの取れた戸数帯(30〜80戸)です。
総戸数が少ない(10戸未満)と管理費が高くなりがちです。
また、修繕積立金にも影響するため、総戸数が少ない物件(特に20戸台以下)は、特に注意が必要です。
少ない戸数で、大規模修繕の金額を確保しなくてはならないため、将来的に修繕積立金が大幅に値上げされるリスクあり。
逆に300戸以上の大規模物件は、修繕積立金が後まわしにされやすく、将来的に「一括徴収」というリスクがひそんでいます。
5. 占有面積から地雷物件を避けるには?
面積が狭すぎると、住宅ローンが使えなかったり、「出口」(売却のとき)で、価格が伸びにくくなります。
20㎡以上あれば、居住性も担保されやすく、家賃の維持も期待できます。
金融機関によっては20㎡未満に融資を行わないケースもあり、資金調達面にも影響しますね。
金融機関の評価や空室になった際のインパクトを考慮し、最低16平米以上、理想は50平米未満の範囲がおススメです。
6. 好かれない間取りというのはあるのか?
典型的なワンルームタイプでも、「バストイレ別」「洗濯機置き場」「収納スペース」の3点は必須です。
きちんと内見して、「暮らしやすさ」の観点からチェックしたほうがよいですね。
意外と重要なのが、玄関の作りや水回りの動線。実態を意識した設計がされていると、評価されます。
やはり、いちばんよいのは、万人受けするようなシンプルな間取りです。
独立洗面台の有無など、ターゲット層のニーズに合わせた検討が必要です。
7. 築年数の考え方は?
築浅でも、管理がずさんな物件は避けるべき。
逆に、築20年以上でも、管理体制が良好で修繕履歴が明確な物件は、長期保有に適しています。
管理組合の議事録や長期修繕計画書に目を通すことで、その物件が“将来性のある資産"かを見きわめましょう。
古い物件でも管理や修繕がしっかりされていて入居者がつく物件であれば資産価値は維持されます。
新しい物件は家賃が高く設定されていることが多いため、注意が必要です。
【3】管理費・修繕積立金の「罠(わな)」を見抜こう
さて、ここでは、いくら表面利回り(経費の支出を含めない利回り)が良くても、管理費・修繕積立金が高かったら、収支はどんどん圧迫されてくるというお話です。
築年数が経過した物件で、将来的な大規模修繕を見越して、急に修繕積立金が増額されるケースがあります。
こういう物件の修繕積立金は、マンション購入時点では、月額1万円くらいでも、将来的に2倍以上になるケースも。
購入前には、長期修繕計画の確認が必要です。
修繕履歴や修繕積立金をチェックして、必要額がきちんと積み上がっているかを確認しましょう。
けっこう大変な状態になっている管理組合が、いっぱいあります。
ちなみに国土交通省の調査によれば、分譲マンションの修繕積立金の平均額は、平米あたり月額200円程度が目安とされています。
ワンルームマンション(25㎡)なら、月額5,000円程度が適正水準。
しかし築年数が古くなるにつれて、修繕積立金は段階的に上昇します。
特に、築15年を超えると大規模修繕が本格化するため、月額1万円を超えるケースも珍しくありません。
《注意しておくポイント》
- 長期修繕計画書で将来の修繕積立金額を確認
- 過去の修繕履歴と残高状況をチェック
- 一時金徴収の可能性について管理組合に確認
- 他の類似物件との比較検討
修繕積立金が異常に安い物件は、将来的な一括徴収や、いきなり大幅値上げというリスクがあります。
なお、管理会社がグループ企業である場合、管理費が割高に設定されている場合もありますね。
同規模・同築年・同エリアの他物件と比較して、月額管理費が1.5倍以上高い場合は要注意です。
【4】将来の売却を見据えた“出口戦略"
不動産投資は「買った時点で8割が決まる」と言われますが、残り2割は「どう売るか」で決まります。
将来的な売却=出口戦略をどのように意識すればよいのでしょうか。
ここで「資産価値が落ちにくい物件」の見きわめ方が大切になってきます。
将来売却する際、買い手がつきやすい物件は、「立地」「流動性」「住宅ローンの使いやすさ」「築年数」「管理体制」などで判断されます。
たとえば「駅徒歩10分圏内」「築20年未満」「20㎡以上」「管理組合がしっかり機能している物件」は、売却時にも人気がありやすく、価格も安定しています。
また、資産価値が落ちにくい物件とは、「次の買い手が購入しやすい」物件です。
その意味で、ファミリー向けより単身者向けのワンルームマンションのほうが、回転が早く、金融機関の評価も高いことが、しばしばです。
逆に、利便性に乏しい立地や構造的に使いづらい間取りは、買い手がつきにくく、価格も下落しがち。
購入段階で、明確な出口を意識して、資産価値の落ちにくい物件を選びたいものです。
不動産投資家の夢「キャッシュフロープラス物件」を実現する
多くの投資家が求める「キャッシュフロープラス物件」。
「キャッシュフロープラス」とは、月々の収支が実質黒字になることですが、ローンを返しながらでは、なかなかむずかしいと言われています。
どうしても毎月の収支が「ちょっと赤字になる」くらいが普通だったりするんですね。
とはいえ、東京でも条件を満たす物件は存在します。
それには次の要素が揃うことが前提。
この「キャッシュフロープラス物件」がどんな状況のもとに成立するのか、それを満たす3つの条件をお伝えしておきましょう。
【1】実質プラス収支を実現する3つの条件
1. 物件価格と利回りのバランスがよい
- 築6年以上で価格が安定している物件
- 実質利回り3.4%以上(管理費・修繕積立金控除後)
- 家賃相場に対して適正な価格設定
2. 金融機関の条件設定が有利
- 金利1.9%以下(属性により異なる)
- 借入期間35年(それ以上は危険)
- ほぼフルローン
3. 運営コストが最適化されている
- 管理費月額4,000円以上
- 修繕積立金月額4,000円以上
- 空室率3%以下の想定
【2】2通りのキャッシュフロープラス物件
この「キャッシュフロープラス物件」には2通りあります。
ひとつは、最初から黒字で運用できる物件。
そしてもうひとつは、現時点はマイナスに見えても、将来的には家賃アップなどでプラス転換できる物件。
まずは、最初からキャッシュフロープラスである物件の事例を見てみます。
物件決済までに家賃9,000円UP確定
- 管理費:8,000円
- 修繕積立金:8,980円
この物件の強みは、物件価格の割安感が非常に高い物件ということ。
投資家の方は自己資金がたった10万円で始め、物件の引き渡しまでに家賃9,000円UPしたため、月々の収支がプラスになりました。
周辺相場を考えると、さらに値上げUPできる物件になるため、資産価値拡大も狙える割安物件です。
こういう黒字物件も、条件を精査し、よくよく探せば、出てくるものです。
では次に、現在は赤字に見えるが、詳細にリサーチすると「将来的にはキャッシュフロープラスになる」という物件の事例をとりあげましょう。
相場家賃:150,000~160,000円
- 管理費:5,400円
- 修繕積立金:7,100円
この物件の強みは、渋谷駅の隣駅の好立地Sランク物件ということ。
築年数も浅く、家賃は現在13万円。
しかし周辺相場は、15~16万円です。
現在の月額収支は赤字ですが、将来的に家賃3万円アップを見込めます。
家賃3万円UPとなれば、物件評価は900万UP!
月額収支がプラスとなり、資産価値も拡大します。
以上、もとからのキャッシュフロープラス物件、そして家賃アップによる将来的なキャッシュフロープラス物件の2通りを、見てきました。
ローンを返しながらでも月々の収支が黒字になるキャッシュフロープラス物件は、不動産投資家の夢ですが、詳細に検討すれば、東京でも不可能ではありません。
わたしはいつもExcelで計算、分析し、その物件の条件を精査しています。
数字は嘘をつきません。
わたしは徹底したリサーチと分析で物件を見てきました。
このExcel表には、10年以上のキャリアのすべてを詰め込んでいます。
今回は特別にExcel診断の動画をお渡しいたします。
ご希望の方は、下記の公式LINEからお気軽にメッセージをお送りください。
▼公式LINE
https://1roomtoshi-shindan.jp/r/book-line
情報弱者から情報強者へ ~「選ぶ力」が未来の資産を決める~
「なぜあの人は成功して、私は失敗したのだろう?」
同じタイミングで、同じような価格帯の物件を購入したにもかかわらず、5年後、10年後に明暗が分かれるケースを、わたしは数多く見てきました。
その違いは決して運や偶然ではありません。情報との向き合い方、そして学びつづける姿勢にあります。
【1】マンション投資の成功と失敗を分けるもの
成功している人の3つの共通点
私がこれまでに相談を受けた2,500人以上の投資家を分析した結果、成功している人には驚くほど共通したパターンがあることが分かりました。
1. ロジックで考える習慣
成功している投資家は、決して「なんとなく良さそう」では物件を選びません。
具体的な行動例:
- 「なぜこの物件が良いのか?」を3つ以上の根拠で説明できる
- 営業マンの説明に対して「それはなぜですか?」と必ず質問する
- 感情的な判断を避け、冷静に比較検討する時間を必ず設ける
例えば、Aさん(年収750万円、会社員)は物件選びの際、必ず以下の質問をします:
- 「この家賃設定の根拠は何ですか?」
- 「同じエリアで空室になった場合、平均的な空室期間はどのくらいですか?」
- 「この物件の5年後、10年後の資産価値をどう予想していますか?」
このような質問ができる投資家は、営業マンからも「本気度の高い顧客」として丁寧に扱われ、結果的により良い条件を引き出すことができます。
### 2. 数字で判断する能力
成功する投資家は、感覚ではなく数字で物件を評価します。
彼らは次のような数字を必ずチェックしています。
- 実質利回り(表面利回りではない)
- 家賃相場との比較(SUUMO、HOME'S等で確認)
- 管理費・修繕積立金の妥当性
- 築年数に対する価格の適正性
- 空室率の想定とその根拠
たとえば、Bさん(年収900万円、IT企業勤務)は物件検討時に必ず、収支シミュレーションを作成します。
(121.8-15.8)÷2,990×100=3.54%
さらに5年後、10年後の家賃下落リスクまで織り込んで最終的な投資妙味を判断します。
このように数字で客観視できる投資家は、営業トークに惑わされることがありません。
3. エリア選定への深い理解
成功する投資家は「なぜそのエリアなのか?」を明確に説明できます。
優良エリア選定の視点
- 人口動態(転入・転出の推移)
- 大学・企業・病院などの安定需要源
- 再開発計画や交通インフラの整備予定
- 実際に現地を歩いて感じる「住みやすさ」
たとえば、港区・品川区・目黒区を選ぶ投資家は、単に「都心だから」ではなく、「羽田空港アクセス向上」「品川駅再開発」「リニア中央新幹線開通」といった将来性まで考慮しています。
【2】失敗する投資家の3つの致命的パターン
一方、失敗してしまう投資家にも、驚くほど共通したパターンがあります。
1. 「なぜ買うのか?」が言語化できない
- 「節税になると聞いたから」(具体的な効果は不明)
- 「大手の会社だから安心」(物件の中身は未検証)
- 「みんなやってるから」(自分の状況は考慮外)
買う理由を訊かれてこのように答える方々は、営業マンに「なぜこの投資をするのですか?」と逆質問されても、明確に答えることができません。
2. 数字を避ける・営業マンに丸投げする
失敗する投資家の多くは、数字を見ることを面倒がったり、営業マンに丸投げしてしまいます。
危険な発言例:
- 「細かい計算はよくわからないので、お任せします」
- 「表面利回りが高ければ大丈夫ですよね?」
- 「シミュレーションは信じます」
このような姿勢では、後から「こんなはずじゃなかった」という結果になるのは当然です。
3. 積極的に情報収集しようとしない
失敗する投資家は、市場の変化、税制の改正、管理の実態などを継続的に学ぼうとしないため、変化に対応できず、結果的に損失を拡大させてしまいます。
【3】情報弱者が狙い撃ちされる業界の現実
不動産投資業界には、残念ながら「情報弱者を狙い撃ちする」ような営業手法が、横行しています。
複雑な仕組みを避けたがる人、「むずかしいことはわからないので、簡単に教えてください」と言う人は、営業マンにとって格好のターゲットです。
業者にとって都合の良い部分だけを信じ込まされ、落とし穴にはまってしまいます。
また、権威や肩書きに弱く、「○○大学出身」「大手企業勤務」「上場企業」というキーワードに弱い人は、肩書きで判断してしまい、本質的な情報を見落とします。
時間をかけたくない人も要注意です。
「忙しいので、すぐに決めたい」という人は、十分な比較検討をせずに契約してしまい、後悔する確率が高くなります。
しかし、くりかえしお伝えしてきたように、不動産業界には、業者側と顧客側の、圧倒的な情報格差があります。
- 物件の本当の相場価格
- 管理会社の実際の入居率計算方法
- 金融機関ごとの融資条件の違い
- 節税効果の継続期間とデッドクロスのタイミング
- サブリース契約の本当のリスク
これらはどれも、営業側が知っていて、顧客はまったく知らない情報です。この情報格差を埋めない限り、対等な交渉はできません。
ここに、セカンドオピニオンの大切さがあるのです。
【4】セカンドオピニオンの活用が成功のカギ
売り手と買い手のあいだにある決定的な情報格差…この状況を是正できるのが、複数の専門家に話を聞くセカンドオピニオンです。
投資において「不安」は危険信号。その不安を無視して進むのは、大きなリスクでしかありません。
セカンドオピニオンでわかることは、たくさんあります。
- 提案物件の本当の市場価値
- 見落としていたリスク要因
- より有利な金融機関の存在
- 税務上の注意点
- 出口戦略の妥当性
実際に、わたしのもとに相談に来られた方の約7割が、「最初に検討していた物件を買わずに済んで良かった」とおっしゃいます。
1. 営業マンの説明で理解できない部分がある
2. 契約を急かされている
3. 「今だけの特別価格」と言われている
4. 家族や友人が反対している
5. なんとなく不安を感じている
こんなときは、セカンドオピニオンを使うタイミングです。
わたしは「不動産投資のお医者さん」として、セカンドオピニオンの必要性を発信し、不動産投資の無料相談を受けていますが、売る側ではなく、買う側の立場で、メリットもデメリットも、忌憚のない意見をお伝えするよう心がけています。
セカンドオピニオンは「贅沢」でも「わがまま」でもありません。
数千万円の不動産投資において、複数の専門家の意見を聞くのは、あまりにも当然の権利ではないでしょうか。
市場は常に変化しています。
昨日の常識が今日の非常識になることも珍しくありません。
きちんとした情報を手にした人は、業者のセールストークには惑わされなくなります。
出典不明の統計データ。
「絶対」「確実」「リスクゼロ」などといった断定的表現。
極端に楽観的すぎる予測や煽り文句。
批判的な意見を一切受けつけない否定、などなど。
そのような「売るため」の業者の言葉の裏が見えるようになってきます。
【5】投資家コミュニティの力を活用する
もうひとつ、わたしが心からおススメするのは、コミュニティのつながりです。
不動産投資は、一人で行うには情報量もリスクも大きすぎます。同じ志を持つ投資家仲間との情報交換は、成功への最短ルートです。
投資家仲間からリアルな失敗パターンを学ぶこともあります。
【Cさんの失敗談(年収800万円、メーカー勤務)】
「営業マンから『人気エリアで物件が少ない』と言われ、十分な比較検討をせずに購入。
後日、投資家仲間との会話で、同じエリアに類似物件が400万円安く売られていることが判明。情報収集の重要性を痛感しました。」
この失敗は、営業マンの「希少性アピール」を鵜呑みにしてはいけないことを教えてくれます。
これを知った人は、購入前に必ず複数物件を比較することを学ぶでしょう。
投資家仲間の「なまの情報」の価値は、本当に貴重です。
コミュニティで共有される口コミの業者情報も欲しいですね。
不動産投資では「情報」は最大の武器です。
業者との圧倒的な情報格差の前に、一般の不動産投資家は、仲間という横のつながりで力を得、成功への道をきりひらくことができるのです。
おわりに
この本を最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
不動産業界の現実をお伝えしてきましたが、今になって、ちょっと不安になっています。
これを読んだ方々は、
「やっぱり不動産投資は危険なのではないか」
と感じていらっしゃるのではないでしょうか。
わたしが不動産業界を変えたい理由
10年間、大手不動産会社で営業として働いていた頃、わたしは毎日のように「売上目標」と向き合っていました。
当時は、月末になると上司から「あと○千万円足りない」「なんとしても契約を取ってこい」というプレッシャーをかけられました。
そのたびにわたしは、内心「この物件は本当にお客さまのためになるのだろうか」と疑問を感じながら、営業をつづけていました。
それでもわたしの営業成績は良く、社内では稼ぎ頭で通っていました。
そんな中で忘れられないのが、3年前に契約していただいたお客さまからの電話でした。
「こうのすけさん、毎月5万円の赤字で家計が苦しくて…。子どもの教育費を削らなければならなくなりました。どうすればいいでしょうか?」
わたしは言葉を失いました。
電話の向こうから聞こえる、お客さまの苦しそうな声。
奥さまやお子さんにも心配をかけているであろう状況。
その瞬間わたしは、自分が何をしてきたのかを、痛切に理解しました。
お客さまはわたしを信頼してくださって、大切な資産を託してくださった。それなのに、わたしはその信頼にこたえられていなかった。いや、こたえようとしていなかったのです。
わたしは、会社の売上目標や自分の成績ばかりに目を向け、お客さまの幸せを考えていなかったのでした。
その夜、わたしは眠れませんでした。そして心に誓いました。
「もう二度と、お客さまを不幸にする仕事はしない」と。
「売らない不動産屋」としての新たな出発
2023年10月、わたしは22億円の売上実績を出していた会社を辞めました。
同僚からは「なぜ安定した会社を辞めるのか」「独立しても稼げるのか」と心配されました。
しかし、わたしには確信がありました。
この業界には、本当にお客さまの側に立って考える人間が必要だ、と。
「不動産投資のお医者さん」として活動を始めてから、2,500人を超える方々の相談を受けてきました。
その中で出会った数々の「失敗事例」は、どれも心の痛むものばかりでした。
30代の会社員の方は、「老後の不安解消」という言葉にひかれて購入した物件で、毎月12万円の持ち出しに苦しんでいました。
40代の経営者の方は、「節税効果抜群」と勧められた物件で、思わぬ税務リスクに直面していました。
50代の公務員の方は、「安定した家賃収入」を期待して購入した物件で、空室が半年以上続いていました。
その皆さんが共通して「もっと早く、こうのすけさんに相談していれば」とおっしゃいました。
その言葉を聞くたびに、わたしは自分の使命を改めて感じます。
ひとりでも多くの方を、不動産投資の失敗から救いたい。
そして本当の意味で、不動産投資を通じて豊かな人生を送っていただきたいのです。
こうのすけから、不動産投資家であるあなたへの約束
この本を通じて、わたしはあなたに約束します。
わたしは、あなたを絶対に独りにしません。
もしこの本を読んで、質問したいことが生まれたら、どうか遠慮なくご相談ください。
不安に感じることがあったら、どんな小さなことでも訊いてください。
物件選びで迷ったら、一緒に検討しましょう。
わたしは「売らない不動産屋」です。
あなたに物件を売ることが目的ではありません。
あなたが後悔のない不動産投資を実現することが、わたしの最大の望みなのです。
セカンドオピニオンは、当然の権利
セカンドオピニオンは遠慮するものではありません。それは、あなたの当然の権利です。
数千万円という大きな投資において、複数の専門家の意見を聞くのは、あまりにも当たり前のこと。
むしろ、それができない状況のほうが、不自然と言えるでしょう。
不動産投資は、確かに簡単ではありません。
しかし正しい知識と継続的な学習、そして信頼できるパートナーがいれば、不動産は、必ずあなたの人生を豊かにしてくれる資産となります。
わたしは今まで、多くの成功事例も見てきました。
年収400万円の看護師さんが、堅実な物件選びで月々3万円のキャッシュフローを実現したケース。
会社員の方が、働きながら10年間で4戸のマンションを運用し、老後の不安を完全に解消したケース。
相続対策として始められた不動産投資が、家族の絆を深めるきっかけになったケース。
成功した方々に共通しているのは、「学びつづける姿勢」と「信頼できる仲間との出会い」でした。
そしてそのサポートをするために、わたしはこれからも活動しつづけます。
この本を通じて、あなたが不動産投資で成功するための武器を、あなたの手にきちんとお渡しすることができたなら、これ以上の嬉しいことはありません。
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著者プロフィール
こうのすけ
不動産投資のお医者さん/Excel分析家
宅地建物取引士・相続診断士・ファイナンシャルプランナー(FP)。
2011年に不動産業界に参入し、新築ワンルームマンション専門の大手不動産会社で約10年営業として従事。
年間売上22億円、社内No.3表彰の実績を持つ一方、業界構造の課題に直面し「投資家目線の情報提供」を志して2023年に退職。
不動産投資のセカンドオピニオンとして2,500件以上の個別相談・セミナー・勉強会を行い、東京中心の中古ワンルームマンション投資やアパート投資の“後悔しない選び方”を発信している。
強みは徹底した数字分析と相談者目線のサポート。
Excelによる収支シミュレーション・家賃分析・物件比較を重視し、投資初心者から上級者まで「失敗しない不動産投資」のための具体的なノウハウを提供。
投資家コミュニティ運営やX([@konosuke_money](https://x.com/konosuke_money))での情報発信にも力を入れている。
「売る側」から「買う側」へ──。
営業マン時代の経験と業界の“闇”を知り尽くした知見を活かし、不動産会社主体ではなく「投資家本位」の立場から、客観的かつ率直なアドバイスで“本物の情報”を届けている。
著書・主な活動:
- 『誰も教えてくれない「インフレの現実」』ほか
- 不動産投資セミナー(月1~2回開催/東京都内)
- 不動産投資セカンドオピニオン「みんなのワンルーム投資」主宰/会員制サポート「オーナーズ」運営
- 無料LINE・Zoom個別相談(累計相談者数2,500人以上)
- 不動産投資家コミュニティ主催
- X(旧Twitter)で最新マーケット・失敗回避ノウハウを日々発信
“数字に裏付けられた後悔しない不動産投資”を広げるため、読者・相談者の伴走者として活動中。
「買い手の味方」として、全力でサポートを行っています。
謝辞とご紹介
おた
出版プロデューサー
採用支援や社員研修事業を展開する会社の代表としての経験を活かし、著者の強みを言語化して成果につながる出版戦略を設計。
企画からブランディング、販売まで一貫して支援し、ビジネス書・実用書での長期的な販売力向上を得意とする。
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<お礼>
本書の企画から出版までのすべての過程で、おたさんの豊かなご経験と明快なご助言を頂きました。
著者としての強みや想いを、見事な言葉で引き出し、形にしてくださったことに心から感謝しています。
ゴールから逆算した的確な企画提案と細やかな原稿サポートのおかげで、迷うことなく最良の道筋に導いていただきました。
最適なビジョンへの道筋をご提案いただき、心より深く感謝申し上げます。
池田 じゅんこ
ストーリープロモーター
インタビューライターとして10年以上のキャリアを持ち、人や事業の背景にある物語を見つけ出すことを得意とする。
言葉選びと構成力を活かし、想いや価値観を読者に響くメッセージへと磨き上げる。400名近くの経営者や専門家の発信力強化やブランド価値向上に数多く貢献してきた。
<お礼>
本書の制作にあたり、池田さんがインタビューライターとして培われた豊富なご経験と、言葉選び・構成力の細やかさに支えられました。
池田さんの「本質を丁寧にくみ取る力」や、ブランド価値向上へのサポートのおかげで、本書がより多くの方に届く一冊となりました。
私の想いや価値観を優しく読み解き、読者の心に届く物語へと磨き上げていただき、心より感謝しています。
節税のウソと本当 ―― 「還付シミュレーション」に騙されるな!
1. 不動産投資が節税になる仕組み
本編を最後まで読んでいただけたこと、本当にうれしく思います。
せっかくここまでたどり着いてくださったあなたへ、ちょっとした「おまけ」をお届けします。
「マンション投資は節税になります」「年収800万円なら年間30万円の還付が受けられます」…このような営業トークを聞いたことがある方も多いでしょう。
確かに不動産投資には節税効果があります。
ただし「節税をメインの目的にした不動産投資」は必ず失敗します。この章では、節税の仕組みを正しく理解し、本末転倒にならない投資判断の考え方をお伝えします。
不動産投資の成功は、「物件の質」「適正価格での購入」「適切な運営」の3つが揃って、初めて実現します。
節税効果は、これらの条件を満たした上で得られるボーナスと考え、投資判断の軸にしないことが重要です。
成功している投資家は、まず収益性の高い物件を選び、その結果として節税効果も得られる、という順番で考えています。
Step1: 立地・物件の収益性を精査
Step2: 適正価格での購入可能性を検証
Step3: キャッシュフローとリスクを分析
Step4: 節税効果を付加価値として評価
Step5: 総合的な投資妙味を判断
不動産所得で損失が出た場合、給与所得などの他の所得と合算して所得税を計算できるため、結果的に納税額が減少します。
《不動産所得の計算式》
- 不動産所得 = 家賃収入 ●必要経費
- 必要経費 = 減価償却費 + 借入金利息 + 管理費 + 修繕積立金 + その他諸経費
《損益通算の仕組み》
具体例で見る節税効果:
- 年収800万円のサラリーマン
- 給与所得控除後の所得:650万円
- 不動産所得:△50万円(赤字)
- 合計所得:650万円 ●50万円 = 600万円
この場合、所得税・住民税合わせて約15万円程度の還付を受けられる可能性があります。
具体例:初年度の節税効果
物件概要:
- 購入価格:2,990万円(建物1,290万円、土地1700万円)
- 年間家賃:121.8万円
- 年間諸経費:30万円
- 借入金利息:30万円
- 減価償却費:155万円
不動産所得の計算:
不動産所得
= 121.8万円 ●(30万円 + 30万円 + 155万円)
= 121.8万円 -215万円 = ▲94万円
この例では赤字になるため、節税効果が生まれます。その注意点と理由を説明していきます。
2. 「節税」の注意点
1. 節税は一時的:ずっとは続かない
多くの投資家が誤解しているのは、節税効果が永続的に続くと思い込んでいることです。
実際には以下の理由で節税効果は年々減少します。
節税効果が減少する理由:
- 減価償却費は建物価格を耐用年数で割った定額のため、年々効果が薄まる
- ローン元本の返済が進むにつれ、利息部分(経費算入可能)が減少
- 家賃下落により不動産所得が改善し、黒字化する
2. 1年目がマックス:設備償却期間終了に注目
節税効果が最も大きいのは購入初年度です。特に以下の設備は短期間で償却できるため、初年度の節税効果を押し上げます。
主な設備と償却期間:
- エアコン:6年
- 給湯器:6年
- インターホン:6年
- 照明器具:4年
これらの設備償却が終了する6年目以降は、節税効果が大幅に減少します。
3. 建物比率の確認:50%以上が理想
減価償却費は建物部分のみに適用されるため、建物比率が高い物件ほど節税効果が大きくなります。
建物比率による違い:
- 建物比率70%:年間減価償却費30万円
- 建物比率50%:年間減価償却費21万円
- 建物比率30%:年間減価償却費13万円
ただし、建物比率が高すぎる物件は実際の資産価値と乖離している可能性があるため注意が必要です。
また、躯体と設備とわけることで、建物減価償却費が大きくマイナス計上でができることが特徴です。
このやり方を使うと不動産所得を大きくマイナス計上できるため、節税ができます。
4. 年収700万円以下は効果薄:売却時の譲渡税で相殺
所得税率は累進課税のため、年収が低いほど節税効果は小さくなります。
年収別の所得税・住民税率:
- 年収500万円:所得税10%+住民税10%=税率約20%
- 年収700万円:所得税13%+住民税10%=税率約23%
- 年収1,000万円:所得税23%+住民税10%=税率約33%
- 年収1,200万:所得税33%+住民税10%=税率約43%
年収700万円以下の場合、節税で得られる還付額よりも、売却時の譲渡税の方が高くなるケースが多いため、トータルでの税負担軽減効果は限定的です。
5. 長期シミュレーション必須:納税分も含めた検討
不動産投資では売却時に譲渡所得税が課されるため、節税効果と譲渡税を合わせたトータルでの税負担を考慮する必要があります。
5年以内の売却(短期譲渡):税率約39%
5年超の売却(長期譲渡):税率約20%
節税で年間15万円還付を受けても、売却時に100万円の譲渡税を支払えば、実質的には税負担が増加したことになります。
6. 雑費の現実性:実際に集められる領収書額か確認
節税シミュレーションでは「雑費年間20万円」などと設定されることがありますが、実際にそれだけの経費を計上できるかは疑問です。
実際に計上可能な雑費例:
- 不動産投資関連書籍:年間2~3万円
- セミナー参加費:年間3~5万円
- 交通費:年間2~3万円
- 通信費(一部):年間1~2万円
実際に利用できる経費があるかは、あらかじめ税理士から確認しておくことをおすすめいたします。
7. 還付額の上限:払った税金分のみ
当然ですが、還付額は実際に納付した所得税・住民税の範囲内でしか受けられません。
年収400万円で所得税10万円、住民税20万円を納税している場合、最大でも30万円しか還付されません。
ただ、当然ですが納税していない部分は、不動産会社から提示される資料で減税が形状されていても、実際は減税されません。
年収700万以下のかたや住宅ローン減税を受けられている方など節税対策をしている方は、注意が必要になります。
3. 節税は副産物、主目的は「いい物件を買う」こと
節税目的で失敗する人の共通点
1. 収支を度外視した物件選び
「節税できるから」という理由だけで、キャッシュフローが赤字の物件を購入してしまうケース。毎月の持ち出しが年間の還付額を上回り、トータルでマイナスになります。
2. 出口戦略の軽視
節税効果に目を奪われ、将来の売却価格や市場性を考慮せずに物件を選んでしまうケース。結果的に大幅な売却損を被ることになります。
3. 短期的な視点での判断
初年度の還付額だけに注目し、中長期的な収支やリスクを検討しないケース。数年後にキャッシュフローが悪化し、維持できなくなります。
本末転倒にならない“投資判断"の原点とは
正しい投資判断の優先順位:
1. 物件の収益性
- 実質利回り4%以上
- 月次キャッシュフローがプラス(または微マイナス)
- 空室リスクが低い立地・物件
2. 資産価値の維持・向上
- 将来的な売却可能性
- 立地の将来性
- 建物・設備の状況
3. 投資家自身の属性との適合性
- 年収・自己資金に見合った投資規模
- リスク許容度との整合性
- 長期保有が可能な財務状況
4. 節税効果(あくまで副産物)
- 上記3つの条件を満たした上での付加価値
- 長期的な税負担を含めた総合判断
《まとめ》「節税できます」のワナ
節税は結果であって目的ではない
不動産投資における節税は、良い物件に投資した結果として得られる副産物です。
節税効果だけを追求すると、以下のような本末転倒な結果を招きます:
- 収益性の低い物件を高値で購入
- 毎月の持ち出しが還付額を上回る
- 将来の売却で大幅な損失を被る
- トータルでの税負担がかえって増加
成功する投資家は、節税を次のように使っています。将来のための備えや次の計画の資金に使うのが、節税効果のすぐれた活用法といえるでしょう。
- 年間の還付金は修繕積立金として別途積立
- 将来の大規模修繕や空室対策費用として準備
- 次の物件購入のための自己資金として蓄積
いかがだったでしょうか。
営業マンの話を鵜呑みにしていると、損をしてしまう事例はたくさん存在します。
「節税」の話もそのひとつです。
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