「日本ヴェルテックのアスヴェルを勧められたんですけど、大丈夫でしょうか」。大阪発の総合不動産ディベロッパーについて、こうした相談を受けることがあります。

はじめにお伝えしておきたいのは、株式会社日本ヴェルテック(NIHONVERTEX CO., LTD.)は、東京都新宿区に本社を置く株式会社ベルテックス(ブランド「VERXEED/ベルシード」)とは社名が似ているだけの、まったくの別法人だという点です。両社は資本関係もなく、本社所在地・設立年・代表者もすべて異なります。本記事で扱うのは、大阪市中央区に本社を置き、自社ブランド「アスヴェル(ASVEL)」を展開する株式会社日本ヴェルテックです。

この会社については、良い口コミがある一方で、2018年に行政処分を受けた経歴も公表されています。どちらか一方だけを見て判断するのではなく、事実関係を時系列で正確に押さえた上で、収支と出口の観点から検討することが大切です。この記事では公開情報と第三者の口コミをもとに、次の点を整理します。

  • 株式会社日本ヴェルテックとはどんな会社か(会社概要・事業の立場)
  • 2018年の行政処分の経緯とその後の対応
  • 実際の口コミ(良い声・懸念の声の両方)
  • サブリース(おまかせプラン)の注意点
  • どんな人が検討でき、どんな人は慎重になるべきか

【2026-10-30 更新】 公式サイトの供給実績ページを確認し、アスヴェル・エヴァステージ・LAVシリーズの供給実績を「50物件以上・合計2,000戸超」から「合計57棟・2,555戸超(アスヴェル52棟+エヴァステージ3棟+LAV2棟)」に精緻化しました。また出典に法人登記情報(全国法人リスト)を追加し、設立からの営業継続年数を30年超に更新しています。社名変更・合併・グループ化・廃業・免許失効は確認されていません。

会社概要:日本ヴェルテックはどんな会社か

日本ヴェルテックの会社概要(設立・資本金・供給実績)
日本ヴェルテックの会社概要(設立・資本金・供給実績)

株式会社日本ヴェルテックは1996年10月14日設立、資本金9,000万円、大阪府大阪市中央区久太郎町2-5-6 8Fに本社を置く不動産会社です。代表取締役は平戸隆利氏。宅地建物取引業免許は大阪府知事(3)第55883号で、賃貸住宅管理業者としても国土交通大臣(01)第004201号の登録を受けています。公式サイトの会社情報(https://vertex-j.com/company/ /2026年10月30日確認)に基づく内容で、読者自身も国土交通省の「宅地建物取引業者検索」で免許番号から実在・行政処分歴の有無を確認できます。なお第三者サイトには2018年当時の旧住所(大阪市北区豊崎3-19-3 ピアスタワー14F)の記載が残っている場合がありますが、全国法人リスト(https://houjin.jp/c/8120001093098 /2026年10月30日確認)でも現在は中央区久太郎町への移転(2026年4月16日付)が確認できます。

項目内容
商号株式会社日本ヴェルテック(NIHONVERTEX CO., LTD.)
所在地大阪府大阪市中央区久太郎町2-5-6 8F(旧:大阪市北区豊崎3-19-3 ピアスタワー14F)
設立1996年10月14日
資本金9,000万円
代表取締役平戸隆利
宅建免許大阪府知事(3)第55883号
賃貸住宅管理業登録国土交通大臣(01)第004201号
事業内容土地選定・建築・販売・管理までを自社で行うワンストップ型の不動産ディベロッパー
自社ブランドアスヴェル(ASVEL)、エヴァステージ、LAV
供給実績アスヴェルシリーズ52棟(2002〜2023年竣工)、エヴァステージ3棟、LAV2棟、合計57棟・2,555戸超

販売立場について:日本ヴェルテックは「土地の選定から建築・販売・管理まですべてを自社で行う」ワンストップ型のディベロッパーです。自社ブランド「アスヴェル」シリーズは自社企画・自社分譲、つまり同社自身が売主となる物件です。派生ブランドの「エヴァステージ」「LAV」も同様の位置づけで、心斎橋WEST(126戸)や神戸三宮(196戸)といった大型物件も手がけています。免許番号のカッコ内「(3)」は5年ごとの更新回数を示し、1996年設立から30年超の営業継続を裏付ける数字です(2026年10月30日時点)。

2018年の行政処分:何が起きて、その後どうなったか

2018年の行政処分からその後の改善までの時系列
2018年の行政処分からその後の改善までの時系列

この会社を検討する上で、最も正確に押さえておくべき事実が2018年の行政処分です。時系列で整理します。

2018年:15日間の全部業務停止命令

2018年7月20日、大阪府知事は株式会社日本ヴェルテックに対し、宅地建物取引業の全部業務停止命令(2018年8月3日〜8月17日の15日間)を発令しました。理由は、既に契約締結の意思がない旨を示した顧客に対して電話で商品説明を継続したこと、いわゆる「再勧誘の禁止」違反(宅地建物取引業法47条の2第3項等に該当)です。

同社はこの処分を受け、公式サイトに「行政処分に関するお詫びとお知らせ」を掲載し、社員教育の徹底とコンプライアンス研修の強化を公表しました。本記事執筆時点でのWeb検索では、2018年以降、同種の追加処分や倒産・訴訟に関する情報は確認されていません。また第三者サイトの情報によれば、2021年11月にはお客様サポート専門部署が新設され、契約後のフォロー不足という指摘への対応が進められた経緯もあります。

過去に処分歴がある事実そのものは変わりませんが、「処分を受けた」ことと「その後どう対応したか」は分けて評価すべき材料です。契約を検討する際は、営業担当者の説明の仕方や勧誘の頻度を自分の目で確認することが、最も確実な安心材料になります。

実際の口コミ:良い声と懸念の声の両方

日本ヴェルテックの良い口コミと懸念の声の対比
日本ヴェルテックの良い口コミと懸念の声の対比

評価が割れる会社だからこそ、両方の声をフラットに見ることが大切です。

良い評価の傾向
  • 具体的な土地資料を持参しリスク説明も含め丁寧
  • 営業担当者が紳士的で知識豊富
  • 駅近一等地立地・30年超の営業歴と57棟の実績
  • ワンストップ体制・セレッソ大阪等のCSR活動
懸念の声の傾向
  • 団信を生命保険代わりと強調する営業トークへの注意
  • サブリース「おまかせプラン」が出口の支障になり得る
  • 家賃保証の手数料・逆サブリースの契約条件要確認
  • サブリース一般のトラブルリスクへの消費者庁の注意喚起

良い評価の声(要約)

営業マンが紳士的で礼儀正しく、知識が豊富。具体的な提案資料を持参し、リスクも話してくれた、という趣旨の声が不動産投資のミカタに掲載されています(40代男性・投資歴9年以上・総合評価3.4/5.0)。

第三者サイトのwell-lab.jpやasset-academy.coでも、具体的な土地資料を持参した丁寧な提案、京都・大阪・神戸の駅近一等地立地、設立から23年超・供給実績50棟超という蓄積、煉瓦タイルなど意匠面や収納力・遮音性への配慮が評価される傾向にあります。

懸念の声(要約)

団信を生命保険代わりと強調する営業トークへの注意喚起、サブリース「おまかせプラン」が将来の売却(出口戦略)の支障になり得るという指摘が、複数の第三者サイトに見られます。

learningandteaching.infoでは、サブリース一般に共通するトラブルリスク(家賃の一方的な減額改定等)について消費者庁が注意喚起している点も紹介されています。これは日本ヴェルテックに限った話ではなく、サブリース契約全般に共通する論点です。

強み:ワンストップ体制と供給実績

土地選定から販売・管理までの自社一貫体制
土地選定から販売・管理までの自社一貫体制
強み:自社一貫体制と2,555戸超の供給実績

土地の選定から建築・販売・管理まですべてを自社で行うワンストップ型の体制は、各工程の品質管理がしやすい一方、仕入れから施工・販売までの各段階のコストが販売価格に反映される構造でもあります。1996年の設立から合計57棟・2,555戸超を供給してきた実績は、関西圏での経験値の蓄積を示しています(公式サイト販売実績ページ/2026年10月30日確認)。

アスヴェルシリーズは2002年から2023年までに竣工した物件が52棟を数え、1棟あたり30〜177戸という規模で供給されています。エヴァステージ(3棟)、LAV(心斎橋WEST126戸・神戸三宮196戸)を含めると合計57棟・2,555戸超の供給規模となり、京都・大阪・神戸の駅近エリアを中心に展開してきた蓄積がうかがえます。セレッソ大阪や京都水族館のスポンサー活動といったCSR面の取り組みも、第三者サイトで触れられています。

懸念点①:サブリース「おまかせプラン」の出口への影響

サブリース契約と出口戦略の関係
サブリース契約と出口戦略の関係
サブリースは売却時の制約になり得る

サブリース契約が付いた状態での売却は、買主にとってサブリース条件(賃料・解約条件)が付帯することを意味し、購入検討者の母数が狭まる可能性があります。また保証賃料は契約内容によって見直し(減額改定)の対象になり得る点も、一般的なサブリース契約に共通する注意点です。

「おまかせプラン」のようなサブリース(家賃保証)は、空室時の収入を安定させるという意味でオーナーにとってメリットがある一方、将来その物件を売却しようとした際に、サブリース契約の内容がそのまま障害になり得るという指摘が第三者サイトに見られます。契約前に、保証賃料の見直し条件・解約通知期間・手数料率を書面で確認し、サブリースを解約した場合の管理委託(自主管理や一般管理への切り替え)の選択肢も合わせて把握しておくことをおすすめします。

懸念点②:営業トークと2018年の処分歴への向き合い方

営業提案を受ける際に確認すべきポイント
営業提案を受ける際に確認すべきポイント
団信の説明や勧誘方法は自分の目で確認する

団体信用生命保険(団信)を生命保険代わりと強調する営業トークへの注意喚起が第三者サイトに見られます。団信はあくまでローン残債の保障であり、生命保険の代替として提示された場合は保障内容の違いを自分でも確認しましょう。

2018年の業務停止命令は、既に断りの意思を示した顧客への再勧誘が理由でした。会社としては謝罪・再発防止策を公表していますが、提案を受ける側としても、契約しない意思を伝えた後の連絡状況や、団信など保障内容の説明の仕方を自分の目で確認することが、安心材料になります。説明が一方的だと感じた場合は、その場で契約を急がず、一度持ち帰って検討する姿勢が重要です。

数字で見る:表面利回りと実質利回りの差

物件提案で示される「表面利回り」は、管理費・修繕積立金・サブリース手数料・ローン金利を引く前の数字です。実際に手元に残るかどうかを決めるのは実質利回りとローン収支です。

項目表面ベース実質ベース
家賃収入満額で計算空室・滞納・サブリース減額を考慮
経費含まない管理費・修繕積立金・サブリース手数料
ローン含まない元利返済を差し引く
結論高く見える手残りで判断

出口:サブリース解除後の売却シナリオで判断する

10年後の出口シナリオ
10年後の出口シナリオ

自社分譲・自社管理という体制で見落とされやすいのが出口(売却)です。保有中のキャッシュフローが安定していても、売却時にサブリース契約の存在で買主が限られたり、保証賃料の見直しで想定収支が崩れたりすれば、トータルでは損失になりかねません。逆に、駅近一等地という立地が維持されていれば、ローン残債を売却額が上回り「売って終われる」状態になりやすくなります。購入前に「サブリースを解除した場合に、実勢家賃でいくらの利回りになるか」「10年後にいくらで売れそうか」をシミュレーションしておくことが判断の決め手になります。

向いている人・向いていない人

向いている人・向いていない人
向いている人・向いていない人
向いている人
  • 京都・大阪・神戸の駅近物件を検討している
  • 自社一貫体制のワンストップサービスを求める
  • 価格の妥当性を自分でも確認する意思がある
  • サブリース契約の条件を書面で確認する意思がある
向いていない人
  • サブリースを使わず自主管理・一般管理を希望する
  • 団信を保険商品の代替として勧められると鵜呑みにしてしまう
  • 契約後の連絡頻度や勧誘方法を気にしない
  • 短期の転売益のみを狙いたい

購入前セルフ診断チェックリスト

購入前セルフ診断チェックリスト
購入前セルフ診断チェックリスト

提案を受けたら、契約前に次の5点を自分で確認してください。

購入前セルフ診断
  • 提示物件の実質利回り(経費・サブリース手数料・ローン控除後)を数字で把握したか
  • サブリース「おまかせプラン」の保証賃料見直し条件・解約条件を書面で確認したか
  • 団信の説明が生命保険の代替として誇張されていないか確認したか
  • 周辺の成約事例と比べて価格が妥当か確認したか
  • 契約しない意思を伝えた後の営業連絡の状況を確認したか

チェックが付かない項目があるうちは、契約を急ぐべきではありません。

まとめ:事実を時系列で押さえ、収支で判断する

まとめ:日本ヴェルテック検討の最終結論
まとめ:日本ヴェルテック検討の最終結論

株式会社日本ヴェルテックは「土地選定から建築・販売・管理まで自社で行うワンストップ型のディベロッパーで、2018年に再勧誘禁止違反による15日間の業務停止命令を受けた経歴を持つ会社」です。営業担当者の説明が丁寧だったという声がある一方、団信の説明やサブリース契約の条件については注意喚起も見られます。重要なのは、2018年の処分という事実とその後の対応を正確に把握した上で、サブリース契約の条件と実質収支を自分でも検証することです。

アスヴェルの物件を紹介されたら、まず「サブリースを使わない場合の実質利回り」と「保証賃料の見直し条件」を聞いてみてください。説明が具体的であれば、提案の質を見極める材料になります。 不動産投資は医療と同じで、担当者が信頼できそうという理由だけで契約を決めてはいけません。 まずは無料の割高診断で、その物件が相場に対して割高でないかを客観的に確認してみてください。

※本記事は公開情報および第三者の口コミサイトをもとに、情報提供を目的として作成しています。特定の物件・会社の購入や売却を勧誘・推奨するものではなく、また誹謗中傷を意図するものでもありません。記載内容は執筆時点の情報に基づくものであり、最新かつ正確な情報は必ず公式サイト等でご確認ください。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。