「東京ミライズさんから提案を受けているのですが、どう思いますか?」。こうした相談を受けるとき、まず確認するのは「医師向けだから安心」という思い込みが先行していないか、という点です。ネットで調べると「収支説明が丁寧で強引さがない」という声と「サブリースは慎重に」という声が混在し、評価が読みにくくなります。
ここで一つ大事なことをお伝えします。口コミの評価が割れるのには、ちゃんと理由があります。 ターゲットが医師であることは営業戦略としては理にかなっていますが、それはあくまで売る側の視点。買う側で見れば「医師向けに特化=信頼できる」と「医師向け=高値でも売れる」はまったく別の話です。この記事では公開情報と第三者の口コミをもとに、次の点を中立的に整理します。
- 株式会社東京ミライズとはどんな会社か(会社概要・販売立場)
- 自社ブランド「ミライズシリーズ」の特徴
- 購入者・第三者・社員のリアルな口コミ(良い声・悪い声の両方)
- AIが整理する「強み」と「懸念点」
- どんな人が検討でき、どんな人は見送るべきか
会社概要:東京ミライズはどんな会社か

株式会社東京ミライズ(TOKYO MIRAIS)は2010年設立、資本金1億円、医師・高所得層に特化した資産運用型マンションの企画・開発・販売・賃貸管理を手がける会社です。2023年5月期には売上高60億円を突破し、2026年6月には持続的成長を見据えてホールディングス体制へ移行しました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 株式会社東京ミライズ(TOKYO MIRAIS CO.,LTD.) |
| 所在地 | 東京都渋谷区東三丁目(エフ・ニッセイ恵比寿ビル) |
| 設立 | 2010年8月(2012年に宅建業者登録) |
| 資本金 | 1億円 |
| 代表取締役 | 志村 謙太 |
| 従業員数 | 49名(2026年4月時点) |
| 免許番号 | 東京都知事(3)第94009号 |
| 上場情報 | 非上場(ホールディングス体制へ移行) |
免許番号の「(3)」は3回目の更新を意味し、2012年の登録から継続して事業を続けている点で継続性に問題はありません。ただし超大手と比べると業歴はまだ浅い段階であることは押さえておきましょう。
販売立場(誰が売主か):自社開発の「ミライズシリーズ」は基本的に東京ミライズが分譲主(売主)です。賃貸管理は関連会社の株式会社ミライズプロパティが担います。一方でMAXIVとの共同ブランド物件のように他社と協業する物件もあり、その場合は分譲主や管理主体が異なります。評判はブランド名と、契約書面の「売主」名の両方で確認するのが安全です。
ミライズシリーズ:自社開発のコンパクトマンション

東京ミライズが自社開発するブランドが「ミライズシリーズ」です。命名は「ミライズ+エリア名+サブネーム(マーロ・アロー・SOUTHレジデンスなど)」が基本です。
- 立地:東京23区(足立・墨田・品川・中野・新宿など)と横浜を中心に、近隣商業地域や中高層住専地域に展開。
- 規模・仕様:4〜5階建て・総戸数十数戸のコンパクトなワンルームが基本。「都市型デザイン×機能性」を標榜し、デザイン性と設備水準を打ち出しています。
- 協業ブランド:MAXIVとの共同ブランド(MAXIV CROS 高島平 MIRAIS)など、開発チャンネルの多様化も進んでいます。
特定エリアに集中させることは、家賃相場の把握や空室対策の面で運用上の利点になり得ます。一方で、協業物件は売主・管理会社が誰かを個別に確認する必要があります。
実際の口コミ:良い声と注意の声の両方

評価が割れる会社だからこそ、両方の声をフラットに見ることが大切です。
★5 良い評価の声
基本から納得いくまで説明してくれた。収支シミュレーションやアフターフォローもしっかり対応してくれている。
強い営業やしつこさはなく、いい関係性を意識してくれている気がする。
10年以上のお付き合いで23区内に複数の区分を購入し、順調に資産を増やせている。
★1〜2・注意を促す声
サブリース契約を提案された場合は身構えてほしい。家賃引き下げや解約の難しさにつながり得る。
節税目的の投資には落とし穴も。減価償却の効果は数年で終わり、その後に課税が逆転する場合がある。
セミナーの目的は集客で、参加後に営業されることは想定しておくべき、との指摘もある。
第三者サイトの評価:社員口コミは成長途上

社員・元社員の口コミサイト「エン カイシャの評判」では、東京ミライズの総合評価は3.6 / 5.0(32件)。「若い社員が多く活気がある」「フットワークが軽い」という声がある一方、「教育・研修マニュアルが未整備」「営業と事務の連携に課題」という指摘もあります。
2021年時点では「福利厚生が弱い」との声もありましたが、2024年の口コミでは確定拠出年金の導入など改善も見られます。成長途上のベンチャーが整備を進めているフェーズ、というのが実態に近い読み方です。会社の対応力と物件の収益性は別の評価軸である点を忘れないようにしましょう。
AIが整理する強み:医師特化と融資戦略

東京ミライズの強みは「医師・高所得層に特化した融資・節税設計の精度」です。顧客層を絞り込むことで、属性に合わせた柔軟なローン組成や物件選定がしやすくなります。取引金融機関が多いことも、条件比較の余地が広いことを意味します。
購入者口コミで繰り返し言及される「強引でない営業スタイル」「アフターフォローの丁寧さ」も、投資用不動産会社としては相対的に評価できるポイントです。長期顧客が複数いることは、信頼継続の一つの証左といえます。
懸念点①:新築ワンルームの「含み損」構造

これは東京ミライズに限った話ではなく、新築ワンルーム全般に共通する構造的な問題です。新築物件には「新築プレミアム」が上乗せされており、入居が決まって一度でも「中古」になった瞬間に、その上乗せ分が抜け落ちます。
つまり、買った瞬間から数百万円単位の含み損を抱えてスタートするのが新築ワンルームの宿命です。だからこそ「いくらで買うか」の妥当性検証は欠かせません。
懸念点②:サブリースと「節税切れ」

関連会社のミライズプロパティがサブリース(一括借り上げ)業務を担っており、選択肢として提示されることがあります。サブリースは「空室ゼロ」の安心感がある一方、保証賃料は見直しで下がり得る・売却時に価格が下がりやすい・解約が難しいという構造的リスクを抱えます。これはどの会社のサブリースでも共通する論点です。
加えて、「節税」を前面に出した提案は、購入後3〜5年で効果が薄れる「節税切れ」のリスクをはらみます。出口(売却)まで含めたトータル収支を試算せずに判断するのは危険です。
数字で見る:表面利回りと実質利回りの差

物件提案で示される「表面利回り」は、管理費・修繕積立金・サブリース手数料・ローン金利を引く前の数字です。実際に手元に残るかどうかを決めるのは実質利回りとローン収支です。
| 項目 | 表面ベース | 実質ベース |
|---|---|---|
| 家賃収入 | 満額で計算 | 空室・滞納を考慮 |
| 経費 | 含まない | 管理費・修繕積立金・手数料 |
| ローン | 含まない | 元利返済を差し引く |
| 結論 | 高く見える | 手残りで判断 |
なお、現時点で当サイトの割高診断データはミライズシリーズについて十分な件数が蓄積されていません。数値を断定するのは控え、購入前には個別物件ごとに割高診断で客観的な評価額を確認することをおすすめします。
10年後の出口:売却シナリオで判断する

新築ワンルームで最も見落とされやすいのが出口(売却)です。保有中のキャッシュフローがトントンでも、売却時に大きく値下がりすれば、トータルでは損失になります。逆に、立地が良く価格下落が緩やかなら、ローン残債を売却額が上回り「売って終われる」状態になります。
ミライズシリーズの23区・横浜という立地は出口の流動性という点ではプラスに働き得る要素です。だからこそ、購入前に「10年後にいくらで売れそうか」を試算しておくことが判断の決め手になります。
向いている人・向いていない人

向いている人
- 高所得の勤務医・開業医で、節税・相続対策を長期前提で検討している
- 物件管理の手間を最小化したい(ただしサブリース条件を精査できる)
- 担当者と継続的な関係を築きながら長期保有したい
- 融資条件を複数行で比較・交渉したい
向いていない人
- 短期での売却益(キャピタルゲイン)を狙っている
- サブリース前提で「手間ゼロ」だけを求めている
- 節税効果を主目的に、出口まで試算せず購入しようとしている
- セカンドオピニオンを取らずに即決しようとしている
購入前セルフ診断チェックリスト

提案を受けたら、契約前に次の4点を自分で確認してください。
- 提示物件の実質利回り(経費・ローン控除後)を数字で把握したか
- 節税効果が薄れた後も、毎月のキャッシュフローが回るかを試算したか
- サブリースを提案された場合、保証賃料の見直し条件を書面で確認したか
- 自社ブランドか協業物件かを含め、売主・管理会社が誰かを確認したか
チェックが付かない項目があるうちは、契約を急ぐべきではありません。
まとめ:判断軸は常に「収支」と「出口」

東京ミライズは「医師・高所得層に特化した不動産投資会社として一定の専門性と実績を持つ会社」です。購入者口コミの質は比較的高く、営業スタイルも強引とは言えない水準にあります。一方で、「医師向け」という属性は売る側の最適化であって、買う側の収益最適化を意味するわけではありません。
判断軸は常に同じです。今日買って実質キャッシュフローはどうなるか、10年後に誰にいくらで売れるか。この二軸を数字で確認できて初めて、購入の可否が判断できます。
物件を勧められたら、まず「10年後にいくらで売れるか」を担当者に聞いてみてください。明確な根拠を示せないなら、それが最初の「赤信号」です。
担当者が信頼できそうという理由だけで契約を決めてはいけません。まずは無料の割高診断で、その物件が相場に対して割高でないかを客観的に確認してみてください。
※本記事は公開情報および第三者の口コミサイトをもとに、中立的な情報提供を目的として作成しています。特定の物件・会社の購入や売却を勧誘・推奨するものではなく、また誹謗中傷を意図するものでもありません。記載内容は執筆時点の情報に基づくものであり、最新かつ正確な情報は必ず公式サイト等でご確認ください。投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。
