※本記事は公開情報・各種報道に基づく当社(みんなのワンルーム投資)の独自見解であり、特定の物件・銘柄の売買や投資判断を勧誘するものではありません。最終判断はご自身の責任でお願いします。
今週を貫く問いは、ひとつです。
「急かされたとき、わたしたちは正しく判断できるか」。
今週の3行はこちらです。
・お金を急がせるPayPay送金型フィッシングが相次ぎ、「至急」「未納」の文面が共通の手口になっている。
・首都圏の中古マンション価格指数は28ヵ月連続上昇、新築戸建ても3ヵ月連続上昇と、相場の勢いが続いている。
・住宅税制のEBPM会議が贈与税非課税の効果を検証、制度が「データで問われる」時代に入りつつある。
詐欺メールも、上がり続ける相場も、不思議と似ています。
どちらも「早くしないと損する」と、こちらを焦らせてくるのです。
正直に言うと、営業時代のわたしも「今月で終わります」と急がせる側にいました。
だからこそ分かります。
焦って下した判断ほど、後で後悔が残ります。
今週は、急かされても落ち着くための材料を一緒に整理していきましょう。
日銀ウォッチ:金利が上がっても「20代が家を買う」時代に、ワンルーム投資家はどう構えるか

今週の不動産・おかね・金利を一本の糸で束ねるなら、わたしは「金利が静かに上がっても、人々の買う意欲は止まらない」という現実から話を始めたいと思います。
結論から言うと、金利の上昇局面でこそ、ワンルーム投資家は「金利の数字そのもの」ではなく「自分のローン構造と返済余力」を点検すべきです。
理由はシンプルで、金利は外から降ってくる天気のようなもので、わたしたちにコントロールできません。
コントロールできるのは、自分が借りている金額・期間・金利タイプ・手元資金、この4つだけだからです。
まず今週の事実を、わたしの言葉で整理します。
ある調査では、20代の住宅購入意向が前年比9ポイント上昇の51.1%となり、過去5年で最高水準になったと報じられました。
物価高でも、いや物価高だからこそ「資産を持っておきたい」という心理が若い世代にも広がっている、というわけです。
同時に、変動型の住宅ローン金利は政策金利と連動し、多くの金融機関で年2回(4月・10月)見直されるという基本構造も改めて指摘されています。
そして注目すべきは、35年超の超長期ローンを選ぶ若い層が増え、オーバーローン(物件価値より借入残高が大きい状態)のリスクが懸念されている、という点です。
これは住宅ローンの話ですが、ワンルーム投資のフルローン・35年返済とまったく同じ構図だと、わたしは現場で何度も見てきました。
ここで初心者がつまずきやすい誤解を、はっきり分けておきます。
「金利が上がる=すぐ家計が破綻する」ではありません。
変動金利は年2回の見直しがあっても、毎月返済額には「5年ルール」「125%ルール」を設ける金融機関が多く、急に返済額が跳ね上がるわけではないのが一般的です。
ただし、ここに落とし穴があります。
返済額が据え置かれても、金利上昇分は「元本が減らない」「未払い利息が積み上がる」というかたちで、見えないところに溜まっていくのです。
営業時代、わたしが新築ワンルームを売っていた頃、変動の低い金利だけを強調して「月々の負担はこれだけです」と説明する場面を山ほど見ました。
正直に言うと、当時のトークは「今の返済額」しか語っておらず、金利が上がったときの元本の減り方までは、買う側にほとんど伝わっていませんでした。

では、なぜ世界の投資家は今なお日本の不動産を見ているのか。
今週話題になった世界最大級の不動産見本市MIPIM2026には、世界90の国・地域から2万人超が参加し、国土交通省や横浜市・大阪市など日本の自治体も公式参加してPRしたと伝わっています。
業界関係者からは「日本の金利はグローバル比でなお低水準で、海外投資家の注目が高い」という趣旨の解説も出ていました。
ここが今週いちばん大事な視点だと、わたしは考えています。
日本の金利は「上がった」と国内では騒がれますが、世界の物差しで見ればまだ低い。
だからこそ海外マネーが東京の不動産を買い、都心の価格を下支えしている面があるのです。
都心(東京23区)の新築ワンルームは、最近は25〜30㎡で4,000〜4,600万円が相場の目安ですが、この高止まりの背景には、こうした内外金利差も効いています。
ついでに、不安の根っこにある「日本は借金まみれ」という話にも触れておきます。
今週は「国民一人当たり1100万円の借金」という表現が、国の資産を無視した片面的な数字にすぎない、という指摘も出ていました。
日本政府は国債残高に匹敵する規模の資産を保有し、統合政府で見れば純債務は圧縮される、IMFの評価でも財政健全性はG7中2位、という見方です。
わたしはこれを「だから金利は上がらない」と読むのではなく、「日本は急激な利上げを急ぐ必要が薄い=金利上昇はあっても“じわり”の可能性が高い」という温度感の材料として受け止めています。
事実(データ)と、わたしの解釈は分けてお伝えしておきます。
では、ワンルーム投資家が今すべき判断を3つに絞ります。
ひとつ、自分のローンが変動なら、金利が「今より1%上がったら」の返済シミュレーションを紙に書き出すこと。
たとえば借入3,500万円・残期間30年・金利1.0%なら月々約11.3万円ですが、これが2.0%になれば月々約12.9万円、年間で約19万円の負担増です。
この19万円を、家賃と手出しで吸収できるかを先に確認しておくのです。
ふたつ、35年超の超長期・フルローンで「手出しゼロ」を強調された物件ほど、オーバーローンの溜まりやすさを疑うこと。
みっつ、繰上返済の余力(手元現金)を、金利上昇局面では「安全弁」として厚めに持つこと。
最後に結論へ戻ります。
金利が上がっても買う人は買う、世界も日本を見ている――この事実は、ワンルーム投資家にとって追い風にも逆風にもなります。
分かれ目は、価格が高止まりした今、自分が「相場に見合った値段で、返せる構造で」買えているかの一点です。
不安の正体は金利そのものではなく、自分の数字を把握していないことだと、2,000人を超える相談を受けてきたわたしは実感しています。
いま保有中・検討中の物件が割高でないか気になる方は、まず割高診断で相場評価額を無料で確認し、自分の借入と相場のギャップを数字で押さえることから始めてください。
セカンドオピニオンとしてのわたしの立場は、煽ることでも止めることでもなく、あなたが自分の数字で判断できるようにすることだと考えています。
20代からのマイホーム考:「家賃はもったいない」の前に持つべき視点
金利上昇の話を前章で見てきましたが、その金利を真正面から受け止めるのが、これから初めて家を持つ若い世代です。
今週の素材で目を引いたのは、20代の住宅購入意向が前年比9ポイント上昇して51.1%と、過去5年で最高水準になったという調査でした。
物価高でも、むしろ「買いたい」気持ちは強まっている。
わたしはこの数字を、ワンルーム投資を考える人にとっても無関係ではない、と読みました。

結論から言います。
20代でマイホームか賃貸かを迷っている段階で、いきなり投資用ワンルームを並べて考えるのは順番が違います。
理由はシンプルで、住む家と投資の家では、判断する数字も背負うリスクもまったく別物だからです。
同じ調査では、20代が今いちばん感じている不安の1位が「物価高」で87.8%、続いて老後資金、自然災害と並びました。
この不安の中身を見ると、住宅取得そのものより「将来のお金が足りるか」という漠然とした焦りが土台にあるのがわかります。
ここで気をつけたいのが、35年を超える超長期ローンを選ぶ人が若い世代で増えている、という指摘です。
変動型の住宅ローン金利は政策金利と連動し、多くの金融機関で4月・10月の年2回見直されます。
つまり、35年・40年と借入期間を延ばすほど、その間に金利が見直される回数も増え、返済総額が読みにくくなる。
素材でも、返済額を抑えるために期間を延ばした結果、ローン残高が物件価値を上回る「オーバーローン」リスクが懸念される、とありました。
わたしが営業時代に何度も見たのも、まさにこの構図です。
月々の支払いを下げたい一心で年数を延ばし、いざ手放したいときに「残債のほうが高くて売れない」という相談が、当時から後を絶ちませんでした。

では、ワンルーム投資家への含意は何か。
新築ワンルーム営業の現場で、わたしは「家賃を払うのはもったいない、それなら投資用を持ちましょう」というトークを、嫌というほど聞いてきました。
正直に言うと、自分も若い頃は使っていました。
けれど、これは住宅ローンの低金利と、投資用ローンの金利を、意図的に混同させる説明になりがちです。
住宅ローンは「自分が住む家」だから低金利と各種優遇が受けられるのであって、人に貸す投資用ワンルームのローンは、金利も審査も別の土俵です。
「家賃がもったいない」を入り口に投資へ流される前に、自分が今、どちらの土俵で計算しているのかを必ず分けてください。
具体的に、20代の方が見るべき数字を挙げます。
ひとつは、変動金利が今より1%上がったときの月返済額です。
たとえば3,000万円・35年・金利0.5%なら月々は約7.8万円ですが、これが1.5%になると約9.2万円へ、月1.4万円ほど増えます。
住む家なら、この差を家計で吸収できるかを考えればいい。
ところが投資用ワンルームでこれが起きると、家賃は据え置きのまま返済だけ増え、毎月の持ち出しが膨らみます。
今週の家賃動向では、東京23区のシングル向きマンションが24ヵ月連続で最高値を更新したとありましたが、家賃の上昇は数千円単位、金利の影響は月1万円超になり得る。
家賃の伸びより金利の伸びのほうが、月々のキャッシュフローに効きやすいという非対称性は、頭に入れておいてほしいところです。
もうひとつ、若い世代に伝えたいのは「制度を使える立場かどうか」です。
今週は住宅税制のEBPM有識者会議が、贈与税非課税措置の効果を中間とりまとめで議論していました。
推計では、この非課税措置による新築取得は3,370戸、うち2,066戸がZEH水準で、民間住宅投資の促進効果は約1,290億円とされています。
注目は、住宅ローン減税と併用した場合、所得が低い層ほど贈与税非課税の効果が大きい、という分析です。
これは裏を返せば、親からの資金援助を受けて「住む家」を買える人には、投資用にはない後押しがある、ということ。
わたしなら、20代の相談者にはまず、自分が住宅取得の優遇をフルに使える立場かを棚卸ししてから、投資の話は後回しにします。
最後に、避けてほしい行動を一つ。
それは、マイホームの頭金や生活防衛資金を削ってまで、投資用ワンルームを先に持つことです。
住む場所の安定は、投資のリスクを取るための土台です。
土台が崩れた状態で家賃下落や金利上昇が重なると、いちばん逃げ場がなくなります。
もし今、住宅と投資のどちらを先にすべきか整理がつかないなら、勧められた投資用物件の価格が相場と比べて妥当かを、割高診断で一度数字に落としてみてください。
20代だからこそ、焦って順番を間違えない。
それが、わたしがいちばん伝えたいセカンドオピニオンです。
日経マネー特集:新NISAとインフレ時代に、不動産は「資産の何割」が妥当か

前章までは金利と物価の足元を見てきましたが、ここからは少し視点を引いて「資産全体のなかで不動産をどう置くか」という問いに移ります。
結論から言うと、ワンルームは“資産の主役”ではなく、新NISAや預金と並べる脇役として位置づけたほうが失敗が減ります。
理由は今週の素材がそろって示しています。
20代の住宅購入意向は前年比9ポイント上昇の51.1%で過去5年で最高、その一方で不安の1位は「物価高」が87.8%でした(出典:物価高でも20代の住宅購入意欲は向上)。
つまり「インフレが怖いから何か資産を持ちたい」という気持ちが、住宅にも投資にも同時に向かっているわけです。
ここで初心者がつまずくのは、その不安をワンルーム1戸に全部ぶつけてしまう点です。
営業時代のわたしは、正直に言うと「インフレに強い実物資産です」というトークを何度も使いました。
間違いではありません。
ただ、相談を2,000人超受けてきて痛感するのは、「インフレ対策」を理由に資産の大半を1戸の不動産に寄せた人ほど、後で身動きが取れなくなっているという事実です。
新築ワンルームは都心25〜30㎡で最近4,000〜4,600万円が相場の目安ですが、これをフルローンで持つと、金融資産がほぼゼロのまま負債だけ4,000万円台という偏った貸借対照表になります。
新NISAで月数万円を積み立てている人が、その横で4,000万円の一点集中を作る——このアンバランスこそ、わたしが一番ブレーキを踏みたい場面です。

では資産の何割が妥当か。
断定はできませんが、わたしが相談で使う「考え方」の目安をお伝えします。
ポイントは金額ではなく「流動性のバランス」です。
| 資産の置き場 | 役割 | 流動性 |
|---|---|---|
| 預金・現金 | 生活防衛・暴落時の弾 | 高い |
| 新NISA等の投信 | 長期の値上がり・分散 | 中〜高 |
| ワンルーム | 家賃という現金収入・分散の一角 | 低い |
この表で言いたいのは、ワンルームは「流動性が低い枠」だということです。
新NISAは思い立てば翌営業日に現金化できますが、ワンルームは売ろうと決めても引き渡しまで数カ月、しかも相場次第では希望額で売れません。
だからこそ不動産は「すぐ使う予定のないお金」だけで、資産全体の一部に留めるのが原則になります。
今週の素材は、この「分散の文脈」を裏側から補強しています。
ADWが不動産クラウドファンディングへ参入を申請し、従来1口500万円だった小口化商品を1口1万円から扱う方針だと報じられました(出典:ADW、不動産CF事業参入へ許認可変更を申請)。
1万円から不動産に触れられるなら、いきなり4,000万円のワンルームを背負わなくても「不動産という資産クラスを資産の数%だけ持つ」ことが可能になります。
わたしはCFを推しているわけではありません。
運用は事業者任せで自分でコントロールできない、途中解約しにくいといった弱点もあります。
ただ、「不動産=現物を1戸ローンで買う」しか選択肢を知らない初心者にとって、分散の入り口が増えているという事実は知っておく価値があります。
さらにMIPIM2026には世界90の国・地域から2万人超が集まり、JLLの担当者が「日本の金利はグローバルで見てなお低水準で海外投資家の注目が高い」と語ったと伝わっています(出典:RXジャパン、MIPIMへの参加をアピール)。
センチュリー21ジャパンがマレーシア企業へ10%出資し、海外投資家を国内へ呼び込む動きも今週ありました(出典:C21ジャパン)。
ここからわたしが読むのは「日本の不動産は世界から見れば割安に映っている」という温度感です。
これは追い風のように聞こえますが、個人オーナーにとっては諸刃です。
海外マネーが入る都心の優良物件は値が堅い一方、その人気に引っ張られて新築ワンルームの分譲価格まで割高化しやすい。
「世界が注目している」を「今の自分の購入価格が妥当」と取り違えない。
ここが現場で一番混同される落とし穴です。
では今週、具体的に何を見ればいいか。
ひとつは「自分の資産に占める不動産の割合」を一度紙に書き出すこと。
預金・新NISA・iDeCo・不動産(評価額ベース)を並べ、不動産が突出していないかを確認します。
もうひとつは、すでに保有している、あるいは検討中のワンルームについて「その価格が世界的人気の延長で割高になっていないか」を客観的に見ることです。
営業の高揚感や「海外も買っている」という空気で価格判断を曇らせないために、購入前・保有中いずれも一度相場の評価額を割高診断で無料確認しておくことを、わたしはおすすめしています。
資産の一部としての不動産は、適正価格で持ってこそ脇役の役目を果たします。
インフレが不安な時こそ、1戸に賭けるのではなく、預金・新NISA・不動産を並べて全体のバランスで守る——これが今週の素材から導けるわたしの結論です。
金融機関:金利と審査の話の前に、「あなたの口座」を守る話から
前章まで金利や制度の話を続けてきましたが、今週はその手前で立ち止まりたい話題がありました。
金融機関をかたるフィッシング詐欺への注意喚起です。
結論から言えば、金利や審査の戦略を練る以前に、まず自分の銀行・証券口座を守る基本動作を固めること。
これが今週のワンルーム投資家への、わたしからの最優先のメッセージです。

なぜこの話を金融機関の章で取り上げるのか。
フィッシング対策協議会は今週、金融機関を装ったメールやSMSへの緊急の注意喚起を出しています。
SBI証券など実在の社名をかたり、「至急」「必ず回答」「未対応だと利用停止」といった、人を焦らせて判断力を奪う文面が典型だとされています。
ここが事実です。
ここからはわたしの解釈です。
不動産投資をしている方は、ふつうの会社員より口座のお金の動きが大きい。
頭金を貯めた数百万円が普通預金に置いてある、家賃が毎月入ってくる決済口座がある、繰上返済のために証券口座で運用している。
つまり「狙われる残高」を持っている層なんです。
詐欺を仕掛ける側からすれば、残高の多い口座ほど割に合う標的になります。
だからこそ、投資家ほどこの基本を軽視できません。
初心者がつまずく点を、現場の実感から具体的に挙げます。
営業時代、わたしのお客様にも「銀行から連絡が来たので慌ててリンクを開いた」という方がいました。
ローンの審査中だったので、「銀行からの連絡=審査の件かもしれない」と思い込んでしまったんですね。
ここに落とし穴があります。
住宅ローンやアパートローンの審査・実行のタイミングは、メールやSMSのリンクで本人確認を求めてくる流れにはなりません。
本人確認や追加書類は、原則として担当者との対面・電話・郵送・正規アプリで完結します。
「審査中だから銀行から連絡が来てもおかしくない」という心理を、相手は突いてくるわけです。
避けるべき行動を、はっきり数字と手順で示します。
一つ、メールやSMSのリンクは原則ゼロ回押さない。
銀行・証券のサイトは、必ず自分でブックマークした正規URLか公式アプリから入る。
これを徹底するだけで、被害の入口の大半は塞げます。
二つ、「至急」「24時間以内」「利用停止」など時間で急かす文面が来たら、その瞬間に一度手を止める。
本物の金融機関が、メール一通で口座を即停止することはまずありません。
三つ、不安なら、メールに書かれた電話番号ではなく、キャッシュカード裏や公式サイトに載った番号に自分からかけ直す。

もう一つ、今週は不動産業界側の「お金の入口を締める」動きもありました。
不動産6団体が、犯罪収益移転防止(マネロン対策)の申し合わせを改定し、宅地建物取引業者に「リスク評価書」の作成を2026年度中に徹底させる方針を打ち出しています。
背景には、2028年に予定されるFATFの第5次対日相互審査という国際的な評価があるとされています。
これも事実です。
ここからが投資家への含意です。
何を意味するかというと、今後ワンルームを買うときの本人確認や資金の出どころの確認が、より厳格になるということ。
頭金の原資、振込の流れ、現金の扱いについて、これまで以上に丁寧な説明を求められる場面が増えると見ておくのが自然です。
「疑わしい取引の届出」の判断基準も国交省の事務連絡で明確化されたとされ、業者側の確認は形式化していきます。
正直に言うと、わたしはこれを投資家にとって悪い話だとは思いません。
本人確認がきちんとした会社は、お金まわりの管理もきちんとしている可能性が高いからです。
逆に、確認をやたら省こうとする、現金でのやり取りを勧めてくる、そういう相手にはわたしなら警戒します。
では、今週わたしたちが取るべき具体的な行動を整理します。
| 場面 | やること | 避けること |
|---|---|---|
| メール・SMS受信 | 公式アプリ/ブックマークから確認 | 文中リンクを押す |
| 急かす文面 | 一度手を止め公式番号へ架電 | 24時間以内などに即対応 |
| 物件購入時の本人確認 | 丁寧に応じる・記録を残す | 確認を省く業者を選ぶ |
不動産投資は、買うときも持ち続けるときも、銀行・証券口座という「お金の通り道」と一生付き合います。
その通り道が一度破られれば、金利が0.1%下がった上がったの議論など吹き飛ぶ損失になりかねません。
守りの土台があってこその、攻めの金利戦略です。
そのうえで、口座を守りながら、自分の物件が今いくらで評価されるのかという「数字の現在地」も定期的に確かめておくことをおすすめします。
買う前、あるいは持ち続けるか迷ったときに、まずは割高診断で相場評価額を無料で確認し、感情ではなく数字で判断する習慣をつけてほしいと思います。
詐欺から口座を守る基本動作と、相場から物件を見直す習慣。
この二つは、地味ですが、投資家の足元を一番堅くしてくれる守りだとわたしは考えています。
建設・不動産:中古マンション価格の連続上昇は、ワンルームの「割高」をどう動かすか

前章まで金利やおかねの動きを見てきましたが、最後はその波が最終的にぶつかる「物件価格そのもの」を確認しておきます。
結論から言うと、今週の素材は「上がり続けているが、一枚岩ではない」という二面性を示しています。
高値追いの心理に飲まれず、エリア別・指数別に冷静に切り分けることが、いまのワンルーム投資家に最も必要な姿勢だと考えます。
まず事実を並べます。
首都圏の住宅価格指数(中古マンション)は、2026年4月時点で首都圏総合146.70、前月比0.29%上昇で28ヵ月連続のプラスでした。
前年同月比では12.03%上昇と、年間ベースでも二桁の伸びです。
東京都は174.92で、価格水準の高さが際立ちます。
埼玉県も101.37で8ヵ月連続上昇と、郊外にも上昇圧力が波及しています。
別の調査では、首都圏の中古マンション平均が7,360万円(前月比1.9%上昇)、22ヵ月連続のプラス。
東京都は1億1,250万円、東京23区は1億2,849万円で25ヵ月連続上昇という数字も出ています。
ここで初心者がつまずくのが、「平均7,360万円」「23区1億2,849万円」という数字を、自分が検討しているワンルームの相場とそのまま結びつけてしまう点です。
正直に言うと、この平均にはファミリータイプの広い住戸が大量に含まれています。
25〜30㎡のワンルーム単体の値動きとは、母数がまるで違うのです。
都心(東京23区)の新築ワンルームは、最近は25〜30㎡で4,000〜4,600万円が相場の目安。
「23区が1億超え」という見出しと、ワンルームの実勢は別の世界の話だと、まず線を引いてください。

そのうえで、わたしが今週いちばん注目したのは「東京23区は25ヵ月連続上昇なのに、都心6区は2ヵ月ぶりに下落した」という一点です。
全体が上がっているときに、最も価格の高い中心部だけが先に息切れする。
これは相場の天井圏でよく見られるサインの一つです。
断定はしませんが、「いちばん高いところから順に止まり始める」局面では、高値で掴むリスクが静かに増していると考えるのが自然です。
新築側の数字も見ておきましょう。
首都圏新築戸建ては平均5,078万円で3ヵ月連続上昇、東京23区の新築戸建ては8,953万円と前月比4.0%上昇でした。
ワンルームと戸建ては別物ですが、ここに通底するのは「建築費と地価が下がっていない」という供給側の事実です。
営業時代の感覚で言えば、新築の分譲価格が上がると、その下支えで中古の希望売出価格も強気になります。
つまり、新築の高値は時間差で中古ワンルームの売り手心理を押し上げる。
いま中古を見ている方が「思ったより値引きが渋いな」と感じるのは、この連鎖が背景にあります。
では、具体的にどう動くか。
わたしが相談で必ずお伝えしている見るべき数字は、次の3つです。
| 見る項目 | チェックの目安 |
|---|---|
| 表面利回り | 都心ワンルームで4%を大きく割っていないか |
| 想定家賃 | 周辺の同タイプ実勢と乖離していないか |
| 売出価格 | 指数の「上昇」を理由に相場以上を払っていないか |
特に怖いのが、家賃の上昇は緩やかなのに価格だけが先行して上がる「利回り低下」です。
価格が前年比二桁で上がっても、家賃が同じペースで上がるわけではありません。
その差は、すべて買い手の利回りを削ります。
2,000人を超える相談を受けてきて、いちばん後悔が深いのは「上がっている相場の勢いに乗って、相場より2〜3割高い1戸を新築で掴んだ」ケースです。
連続上昇のニュースは、その背中を押す材料として使われがちなので注意してください。
避けてほしい行動は2つ。
1つは「28ヵ月連続上昇だから今買わないと乗り遅れる」という焦りでの即決。
もう1つは、上昇率の数字だけで個別物件の妥当性を判断することです。
指数はエリア全体の平均であって、あなたが買う1戸の適正価格ではありません。
逆に、いま強気の相場だからこそ有効な備えもあります。
それが、検討中・保有中の1戸が相場に対して割高になっていないかを、第三者の目で数字に落として確認しておくことです。
気になる物件があるなら、割高診断で相場評価額の目安を一度押さえてから次の判断に進んでください。
上がっている相場ほど、買う前の「自分の物件はいくらが妥当か」という1ステップが効きます。
結局この章で言いたいのは、起の問いに戻ります。
連続上昇は事実ですが、それは「だから買い」ではなく「だからこそ個別に検証」のサインです。
平均と1戸を分け、新築の高値と中古の実勢を分け、利回りという最後の物差しで測る。
この3つの線引きさえ崩さなければ、上昇相場でも冷静に立っていられると、わたしは考えています。
来週の注目と今週の結論
来週見ておきたいのは、ふたつです。
ひとつは、首都圏の価格指数がこのまま二桁の伸びを維持するのか、それとも前年比の伸び率が鈍り始めるのか。
28ヵ月連続上昇という数字は力強い一方、前年同月比12.03%という高い伸びは、いつか必ず巡航速度に戻ります。
その変化の兆しを、来週以降の指標で冷静に追いたいところです。
もうひとつは、住宅税制のEBPM会議の中間とりまとめがどこまで踏み込むか。
贈与税非課税が新築で3,370戸、うち2,066戸がZEH水準という推計が出たことは、「制度の効果をデータで残す」流れの始まりです。
投資用ワンルームは直接の対象外ですが、税制が数字で問われる時代に、制度頼みの購入判断は通用しにくくなります。
今週の結論です。
詐欺も相場も、わたしたちを焦らせてきます。
急かされたときこそ、いったん止まって自分の手元の数字に立ち返る。
これが今週いちばんお伝えしたいことです。
フィッシングなら公式アプリで請求を確認する。
物件なら、賃料と相場評価額で採算を確かめる。
やることは同じで、「リンクや営業トークの外側で事実を確認する」だけです。
買う前、あるいは持ち続けるか迷ったとき。
急がず、まず手元の物件が相場に対して割高でないかを確かめておきましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定物件の購入・売却を勧誘するものではありません。記載した数値は公表資料に基づく一般的な目安で、個別の条件により異なります。投資判断はご自身の責任で行ってください。
