「年収500万円」と聞くと、毎月40万円ほど使えるように感じます。けれど実際に口座に入るのは、月に約33万円です。

年収と手取りの差は、社会保険料・所得税・住民税の3つです。この記事では、2026年(令和8年)の最新の料率で年収ごとの手取りを計算し、何がいくら引かれているのかを分けて見ていきます。

この記事を書いている私たちの立場

私たち「みんなのワンルーム投資」は、ワンルーム投資の相談サービスを運営しています。この記事の数字は、国税庁・財務省・協会けんぽ・厚生労働省が公表している料率を使って当社が計算したものです。計算の前提は記事の最後に書いています。

年収と手取りの違い

年収から手取りになるまで
年収から手取りになるまで
  • 年収(額面):会社から支払われる給与の総額。源泉徴収票の「支払金額」
  • 手取り:年収から、次の3つを差し引いた金額
差し引かれるもの何のお金か決まり方
社会保険料健康保険・介護保険(40歳以上)・子ども・子育て支援金・厚生年金・雇用保険給与に料率をかける
所得税国に払う税金「課税所得」に段階的な税率(5〜45%)をかける
住民税住んでいる都道府県・市区町村に払う税金「課税所得」のおよそ10%+定額

ポイントは、社会保険料は給与にそのままかかり、税金は「控除」を引いた後の金額にかかることです。そのため、年収が上がるほど税金の割合が大きくなり、手取りの割合は下がります。

2026年の手取り早見表

年収別の手取り早見表
年収別の手取り早見表

前提:会社員・扶養なし・東京(協会けんぽ)・賞与なし(月給×12)・社会保険料控除と基礎控除のみ。

年収社会保険料所得税住民税手取り(40歳未満)手取りの割合手取り(40〜64歳)
200万円29.4万円0円5.9万円164.8万円82.4%163.3万円
300万円44.1万円2.8万円12.0万円241.2万円80.4%239.1万円
400万円58.8万円5.8万円17.9万円317.6万円79.4%314.8万円
500万円73.5万円9.1万円24.5万円393.0万円78.6%389.6万円
600万円88.1万円14.9万円31.0万円466.0万円77.7%462.1万円
700万円102.8万円27.8万円37.9万円531.4万円75.9%527.5万円
800万円115.7万円43.6万円45.6万円595.1万円74.4%590.6万円
900万円121.2万円62.9万円54.6万円661.3万円73.5%656.2万円
1,000万円126.8万円82.2万円64.0万円727.0万円72.7%721.4万円
1,200万円137.9万円124.1万円82.9万円855.1万円71.3%848.7万円
1,500万円154.5万円209.9万円111.3万円1,024.4万円68.3%1,017.5万円
2,000万円165.4万円374.7万円160.2万円1,299.7万円65.0%1,292.1万円
3,000万円170.4万円790.5万円259.7万円1,779.5万円59.3%1,772.8万円

年収が2倍になっても、手取りは2倍にはなりません。年収500万円→1,000万円で年収は2倍ですが、手取りは393万円→727万円(1.85倍)です。

社会保険料の中身(2026年度の料率)

社会保険料の内訳
社会保険料の内訳
項目全体の料率本人の負担備考
健康保険(協会けんぽ東京)9.85%4.925%2026年3月分から。都道府県で違う
介護保険(40〜64歳)1.62%0.81%40歳になった月から
子ども・子育て支援金0.23%0.115%2026年4月分から新しく始まった
厚生年金18.3%9.15%標準報酬月額の上限65万円
雇用保険(一般の事業)1.35%0.5%2026年4月から本人負担が0.05%下がった

年収500万円(月給約41.7万円)なら、本人負担は合計で年約73.5万円。年収の約15%です。

厚生年金には上限があるため、月給が65万円(年収780万円)を超えると、社会保険料の割合は下がり始めます。年収が高い人ほど税金の割合が上がり、社会保険料の割合が下がる、という形になります。

所得税・住民税の計算のしかた

税金の計算の流れ
税金の計算の流れ

税金は次の順番で計算します。

  1. 給与所得 = 年収 − 給与所得控除
  2. 課税所得 = 給与所得 − 社会保険料控除 − 基礎控除(ほかに扶養・生命保険料などの控除)
  3. 所得税 = 課税所得 × 税率 − 控除額(さらに復興特別所得税として2.1%を上乗せ)
  4. 住民税 = 課税所得(住民税の控除で計算)× 10% + 均等割5,000円

給与所得控除(2026年分)

年収給与所得控除
220万円以下74万円(2026・2027年の特例)
220万円超〜360万円以下年収×30%+8万円
360万円超〜660万円以下年収×20%+44万円
660万円超〜850万円以下年収×10%+110万円
850万円超195万円(上限)

所得税の税率

課税所得税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超〜330万円以下10%9.75万円
330万円超〜695万円以下20%42.75万円
695万円超〜900万円以下23%63.6万円
900万円超〜1,800万円以下33%153.6万円
1,800万円超〜4,000万円以下40%279.6万円
4,000万円超45%479.6万円

例:年収500万円・40歳未満

  • 給与所得:500万円 −(500万円×20%+44万円=144万円)= 356万円
  • 課税所得(所得税):356万円 − 社会保険料73.5万円 − 基礎控除104万円 = 約178万円 → 所得税 約9.1万円
  • 課税所得(住民税):356万円 − 73.5万円 − 基礎控除43万円 = 約239万円 → 住民税 約24.5万円

所得税と住民税では基礎控除の額が違う(所得税104万円・住民税43万円)ため、住民税のほうが高くなる人が多くいます。

2026年に変わった3つのこと

2026年の変更点
2026年の変更点
  1. 所得税の基礎控除が上がった(令和8年分)

- 合計所得489万円以下:104万円(本則62万円+特例42万円)

- 489万円超〜655万円以下:67万円/655万円超〜2,350万円以下:62万円

- 給与所得控除の最低額も74万円に。いわゆる「年収の壁」は178万円になりました

- ⚠️ 2026年11月までの毎月の源泉徴収は変わらず、12月の年末調整でまとめて精算されます

  1. 子ども・子育て支援金が始まった(2026年4月分から・本人0.115%)
  2. 健康保険料率と雇用保険料率が少し下がった(東京の協会けんぽ 9.91%→9.85%、雇用保険の本人負担 0.55%→0.5%)

⇒ 年収500万円の人で見ると、所得税は減り、社会保険料は支援金のぶん少し増える、という組み合わせです。

手取りの割合が下がっていく理由

手取り率の変化
手取り率の変化

手取りの割合は、年収200万円で82%、500万円で79%、1,000万円で73%、2,000万円で65%と下がっていきます。

理由は、所得税の税率が段階的に上がるからです。所得がおよそ100万円増えたとき、そのうちいくらが税金で引かれるか(所得税+住民税)の目安は次のとおりです。

年収増えた所得にかかる税の割合の目安(所得税+住民税)
400万〜500万円約15%
600万円約18%
700万〜1,000万円約26〜30%
1,200万円約33%
1,500万円以上約44%

※年収の段階によって基礎控除や給与所得控除が変わるため、ぴったり税率表どおりにはなりません。

税金を減らす方法は、どれくらい効くのか

控除でいくら減るか
控除でいくら減るか

手取りを増やす方法として、税金を減らす制度があります。

方法しくみ注意点
iDeCo掛金が全額所得控除原則60歳まで引き出せない
ふるさと納税寄付額−2,000円が税金から差し引かれる上限額を超えると自己負担が増える
住宅ローン控除年末のローン残高×0.7%が税金から差し引かれる自宅用のローンのみ
不動産の赤字の損益通算不動産所得の赤字を給与所得から差し引く赤字の多くは実際にお金が出ていく結果

不動産の赤字100万円を給与と相殺した場合に減る税金(所得税+住民税・当社試算)

年収減る税金
500万円約15.1万円
800万円約30.1万円
1,000万円約30.4万円
1,500万円約43.7万円

赤字100万円で税金が戻るのは、年収500万円なら約15万円、1,500万円でも約44万円です。「節税になる」と勧められるワンルーム投資では、減価償却費のようにお金が出ていかない経費もありますが、ローンの利息・管理費・修繕積立金などは実際に支払うお金です。戻る税金より、出ていくお金のほうが大きくなりやすい点に注意してください。

実際の物件の数字で試算した結果は「「ワンルーム投資は節税にならない」は本当?」にまとめています。

年収が高い人ほど気をつけたい「手取りで考える」こと

手取りで考えるチェック
手取りで考えるチェック

年収が上がると、投資用マンションや保険の営業を受ける機会が増えます。そのときは年収ではなく手取りで考えるのが基本です。

  1. 毎月の返済・積立は、手取りの何%か:額面ではなく、口座に入る金額で見る
  2. 「節税」の金額は、実際に出ていくお金と並べて見る:戻る税金だけを見ない
  3. 12月の年末調整・翌年6月の住民税で変わる:2026年は基礎控除の引き上げが12月にまとめて反映される
  4. 40歳・転職・賞与で変わる:40歳から介護保険料、賞与があると社会保険料の計算が変わる

まとめ

まとめ
まとめ
  • 手取りは、年収から社会保険料・所得税・住民税を引いた金額
  • 2026年の料率では、年収500万円の手取りは約393万円、1,000万円は約727万円
  • 2026年は基礎控除104万円(489万円以下)・子ども・子育て支援金の開始など、手取りに関わる変更があった
  • 年収が上がるほど手取りの割合は下がる(500万円で79%、2,000万円で65%)
  • 税金を減らす方法は、減る税金と出ていくお金を並べて判断する

投資用マンションを勧められて「この物件の価格は妥当なのか」を知りたいときは、割高診断で相場と比べられます。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の物件の購入・売却や金融商品を勧誘するものではありません。税金・社会保険料の実際の金額は、扶養の有無・勤務先の健康保険組合・賞与・各種控除などで変わります。正確な金額は勤務先・税務署・税理士にご確認ください。

※計算の前提:会社員/扶養なし/東京都(協会けんぽ東京支部)/賞与なし(月給×12)/標準報酬月額は月給と同額とみなす/控除は社会保険料控除と基礎控除のみ/住民税は同じ年収が続く前提で令和9年度分の控除(給与所得控除の最低保障74万円・基礎控除43万円)により計算し、調整控除は省略。千円未満は四捨五入して表示。

※出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)、国税庁「令和8年度税制改正(所得税の基礎控除の引上げ等関係)Q&A」、全国健康保険協会「令和8年度保険料率」(東京支部)、厚生労働省「令和8年度 雇用保険料率」。料率は2026年9月14日時点。