結論からお伝えすると、提案されたワンルームマンションの価格が高すぎないかは、家賃から逆算した「評価額」と、提示された価格を並べると確かめられます。

家賃とローンの返済だけを並べた収支表では、その物件の価格が家賃に見合っているかは見えません。

この記事では、無料の割高物件診断が何を入れて何を出すのか、評価額の出し方、4つの判定の意味、そして前提を置いた計算の例を、順に説明します。

割高物件診断でできること

割高物件診断は、物件の情報を入れると、その物件の家賃から見た評価額と、提示価格との差、実質利回りを出す無料の道具です。

1
評価額
家賃から逆算した、価格の目安
2
提示価格との差
評価額より何万円高いか・低いか
3
実質利回り
手取りの家賃を価格で割った利回り
4
4つの判定
安全・割安/許容範囲/割高/危険

使い方は3つの手順だけです。

STEP 1
物件の情報を入れる
所在地・最寄り駅と徒歩分数・築年・管理の形・家賃・月の費用・提示価格
STEP 2
評価額と差を見る
家賃から見た評価額と、提示価格がいくら高いか(低いか)が出る
STEP 3
判定を読む
4つの判定と実質利回りで、提案を断るか・条件を見直すかを考える

割高物件診断を使ってみる

評価額の出し方

評価額は、次の2つの数字から出します。

  1. 年間の手取り家賃 =(月の家賃 − 管理費・修繕積立金など月の費用)× 12か月
  2. 見込まれる利回り = 物件のある地域・築年数・駅からの徒歩分数で決まる利回り
評価額 = 年間の手取り家賃 ÷ 見込まれる利回り

見込まれる利回りは、同じ地域・同じくらいの築年数・同じくらいの駅からの距離の物件が、どのくらいの利回りで取引されるかの目安です。駅に近く、築年数の浅い物件ほど利回りは低く(価格は高く)、遠く古いほど利回りは高く(価格は低く)なります。

収支表だけで見る
  • 家賃でローンが返せるかだけを見る
  • 提示価格を前提に話が進む
  • 割高でも「毎月の持ち出しが少ない」と見える
評価額と並べて見る
  • 価格が家賃に見合っているかを見る
  • 提示価格そのものが高くないかを確かめられる
  • 割高の分は、売るときや借り換えのときに表に出る

4つの判定の意味

判定は、提示価格 − 評価額の差で4つに分かれます。

判定提示価格と評価額の差読み方
安全・割安評価額以下家賃から見て、価格が高すぎない
許容範囲評価額より100万円未満高いやや高い。自己資金で埋められるかを考える
割高100万円以上200万円以下高い条件の見直しや、ほかの物件との比較が要る
危険200万円を超えて高い家賃から見た価格と大きく離れている

診断の画面の判定の文は、金融機関の評価の目安として書いています。融資が下りるかどうかを約束するものではありません。

どの判定も目安です。管理の状態・修繕の予定・借入の条件は、この判定には入っていません。

前提を置いた計算の例

ここからは、前提を置いた計算の例です。実在の物件や、実際の診断の結果ではありません。

前提置いた数字
月の家賃95,000円
管理費・修繕積立金など月の費用12,000円
年間の手取り家賃(95,000 − 12,000)× 12 = 996,000円
見込まれる利回り(例)3.5%
評価額996,000 ÷ 0.035 = 約2,846万円

この評価額に対して、提示された価格が違う3つの場合を並べます。

提示価格評価額との差判定
2,800万円約46万円 低い安全・割安
3,000万円約154万円 高い割高
3,100万円約254万円 高い危険

同じ家賃の物件でも、提示価格が300万円違うだけで、判定は「安全・割安」から「危険」まで変わります。家賃が同じなら、高く買った分だけ利回りが下がり、売るときの差額が大きくなるからです。

みんなのワンルーム投資 独自データ
問い
毎月の持ち出しが少なければ、多少割高でもよいのでは?
データ
上の例で、2,800万円と3,100万円の差は300万円。家賃は同じなので、実質利回りは約3.56%と約3.21%に分かれる
洞察
割高の分は、毎月の収支では目立たず、売るときや借り換えのときに表に出る
含意
買う前に評価額と並べておくと、断る・値下げを求める・ほかの物件と比べる、の判断がしやすい

診断のあとに確かめること

診断の結果は、判断の入口です。次の3つも、あわせて確かめてください。

STEP 1
借入の条件を確かめる
金利・期間・借入額。同じ価格でも、条件で毎月の持ち出しが変わる
STEP 2
管理と修繕を確かめる
管理費・修繕積立金の値上げの予定、管理会社の報告書
STEP 3
売るときを考える
何年後にいくらで売れそうか、ローンの残りと並べる

管理費や修繕積立金を引いた手取りの収支の見方は、ワンルーム投資が「赤字」になる5つの理由と、今すぐできる確認方法で、前提を置いた試算とあわせて説明しています。

まとめ

  • 提案された価格が高すぎないかは、家賃から逆算した評価額と並べると確かめられる
  • 評価額は「年間の手取り家賃 ÷ 地域・築年数・駅からの距離で見込まれる利回り」
  • 判定は提示価格と評価額の差で4つに分かれる。どれも目安で、借入・管理・売るときの条件とあわせて見る

割高物件診断を使ってみる


※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定物件の購入・売却を勧誘するものではありません。記事中の計算の例は前提を置いた試算で、実在の物件や実際の診断の結果ではありません。割高物件診断の評価額と判定は目安であり、実際の取引価格や融資の可否を約束するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。