YouTubeで新築ワンルームについて調べると、「やってはいけない」「手を出してはいけない」という題名の動画が並びます。そして話の流れで「買うなら中古」と言われることもあります。

けれど「中古ならいい」は、築年数だけで決まる話ではありませんでした。この記事では、4つのチャンネルの説明と、当社の割高診断のデータを築年数別に並べて確かめます。

この記事を書いている私たちの立場

私たち「みんなのワンルーム投資」は、ワンルーム投資の相談サービスを運営しています。動画で何と説明されているか(事実)と、当社データから言えること(私たちの見方)を分けて書きます。

4つのチャンネルの主張を並べる

4つのチャンネルの主張
4つのチャンネルの主張

登録者数は2026年9月13日時点です。

チャンネル(登録者)取り上げた動画(公開日)立場
ウラケン不動産【浦田健公式】(23.4万人・不動産会社を経営する発信者)新築ワンルーム投資はやってはいけない本当の理由!なぜかエリートがハマる不動産投資の罠を徹底解説!【391】(2020年5月27日)新築は否定
藤原正明の「最強の不動産投資チャンネル」(4.75万人・一棟の収益物件を扱う大和財託株式会社のチャンネル)【罠にハマる人続出】新築ワンルームマンション投資に手をだしてはいけない理由をシミュレーションで徹底解説!(2023年12月22日)新築は否定
住宅FP関根(10.1万人)築浅ワンルームマンション投資 儲けが出るのか計算してみた(2021年4月21日)築浅の中古も否定
山内真也(yamachannel)(2.8万人)区分マンション投資の実需売りを解説した動画(2022年11月5日・題名は表の下)中古は条件つき
山内真也(yamachannel)の動画の題名:「絶対儲かる?区分マンション投資は実需売りが一番!?」(題名は疑問形で、動画の中ではリスクもあわせて説明されています)

新築を否定する主張

ウラケン不動産:買った瞬間に借金の方が多くなる

動画では、2,000万円の新築ワンルームをサブリース・35年ローンで買う例を試算し、年間約28万円(月約2.3万円)の持ち出しになるとしています。さらに、価格には売主の利益が含まれるため、買った直後に売ると1,700万円程度になり、残りの借金との差が出ると説明しています。35年分の持ち出しを積み立てて運用した場合と比べると、35年後に2,500万円以上で売れなければ追いつかない、という比較もしています。

大和財託 藤原:実例で試算すると、利回りは1%前後

一棟の収益物件を扱う会社の立場を明かしたうえで、5年前に2,240万円(表面利回り4.18%)で買われた新築ワンルームを試算しています。現金で買って5年後に売る場合でも、手元の利回りは年1.66%、空室と値下がりを入れると0.73%、フルローンでは5年の合計でマイナスになったとしています。値上がりを前提にしないと成り立ちにくい、という主張です。

新築を否定する主張の数字
新築を否定する主張の数字

「中古ならいい」への主張

住宅FP関根:築浅の中古でも、毎年赤字になる

動画では、東京23区・駅から徒歩10分以内・築5年の中古ワンルーム(2,720万円・家賃8.4万円・表面利回り3.7%)を、頭金10万円・金利1.7%・35年で試算しています。毎年約21〜29万円の持ち出しが続き、30年で累計約950万円になるとしています。現金は赤字でも帳簿の上では早い時期から黒字になり(デッドクロス)、税金を払うことになる、とも説明しています。中古でも価格が高く利回りが低ければ同じ、という指摘です。

山内真也:中古は「買った値段で売れるか」がすべて

動画では、区分マンションのもうけは「買った値段より売った値段が同じか高いか」で決まり、新築や築浅はローンを使うと毎月赤字で、売るときもローンの残りを下回りやすい、と説明しています。一方で、ある程度古い物件はローンの残りが減った分だけ手元に残りやすいとし、自分で住みたい人に売れる物件(多くの銀行の住宅ローンが使える30㎡以上など)なら値上がりをねらえる、としています。ただし、自身の横浜の物件では家賃の滞納や5か月の空室、約80万円の原状回復がかかったと、リスクもあわせて紹介しています。

中古について条件をつける主張
中古について条件をつける主張

なお、小原正徳の不動産アカデミー(6.5万人)の動画(2024年4月2日)でも、「区分のワンルームは勝ち筋がなく、同じ区分ならファミリータイプや、自分で住む人にも売れる広さの物件」と、同じ方向の説明がされています。

当社の割高診断4,587件を築年数で分ける

当社の割高診断に入力され、築年数が分かる物件4,587件(2023年1月〜2026年9月)を、診断した時点の築年数で分けました。

表面利回りは、築30年まではほとんど変わらない

築年数ごとの価格と利回り
築年数ごとの価格と利回り
築年数件数価格の中央値表面利回りの中央値金融機関の評価利回りの中央値
0〜2年78件3,620万円3.41%3.59%
3〜5年201件3,580万円3.41%3.50%
6〜10年680件3,100万円3.40%3.50%
11〜20年1,279件2,780万円3.41%3.60%
21〜30年610件2,585万円3.39%3.70%
31年以上1,739件1,600万円4.06%4.08%

価格は古くなるほど下がりますが、家賃も同じように下がるため、表面利回りは築30年まで3.4%前後でほぼ横ばいです。一方、金融機関が評価に使う利回りは、古くなるほど高くなります。

「危険・割高」の割合は、築6〜30年でも半分以上

築年数ごとの危険・割高の割合
築年数ごとの危険・割高の割合
築年数全体東京23区横浜市・川崎市
0〜2年68%71%23%(13件)
3〜5年52%50%59%
6〜10年57%57%56%
11〜20年57%58%59%
21〜30年68%71%63%
31年以上39%44%24%

新築(築0〜2年)は68%と高い一方で、築6〜30年の中古も57〜68%と、新築と大きくは変わりません。割合がはっきり下がるのは築31年以上だけでした。横浜市・川崎市の築0〜2年は13件と少ないため、参考にとどめてください。

新しい物件の供給も続いている

首都圏の投資用マンションの供給
首都圏の投資用マンションの供給

不動産経済研究所の発表(2026年8月5日)では、首都圏の投資用マンションの供給は2025年に4,034戸、2026年上期に2,401戸でした。新築の選択肢は毎年出ていて、販売の場で勧められる機会も続いています。

主張はどの条件で当たり、どの条件で外れるか

主張が当たる条件・外れる条件
主張が当たる条件・外れる条件
主張当てはまりやすい条件当てはまりにくい条件
新築は買った直後に借金が上回る(ウラケン)業者の利益が乗った新築を全額ローンで買う頭金を入れる・値下がりしにくい立地
新築は利回りが1%前後(大和財託 藤原)表面利回り4%前後で値上がりを見込まない大きく値上がりした時期に売れる
築浅の中古でも赤字(住宅FP関根)表面利回り3%台・頭金ほぼゼロ利回りが高い価格で買う
中古は買値で売れるかがすべて(山内真也)自分で住む人に売れる30㎡以上20㎡前後の単身向け

私たちの見方では、「新築はダメ」はデータとよく合いますが、「中古ならいい」は築年数では分けられません。分かれ目は、築年数より価格と利回りです。

当てはまる人・当てはまらない人

当てはまる人・当てはまらない人
当てはまる人・当てはまらない人

「新築はダメ」が当てはまりやすい人

  • 新築を、表面利回り3%台・全額ローンで買おうとしている
  • 数年後の値上がりを当てにしている

「中古ならいい」が当てはまりにくい人

  • 築年数だけで「中古だから安全」と考えている
  • 中古でも表面利回り3%台で、毎月の持ち出しが出る計画になっている

「中古ならいい」が当てはまりやすい人

  • 相場と金融機関の評価から見て割高でない価格で買える
  • 修繕積立金や管理の状態、売るときの買い手まで確かめている

買う前・持っている人が確かめること

確かめる4つのこと
確かめる4つのこと
  1. 価格が相場より高くないか:新築でも中古でも、割高診断で物件の価格・家賃・築年数から確かめられます。
  2. 家賃が相場からずれていないか:すでに持っている物件は、家賃診断(無料の会員登録が必要)で周辺の実際の家賃と比べられます。
  3. 修繕積立金と管理の状態:古い物件ほど、積立金の残高や大規模修繕の予定を確かめます。
  4. 売るときの買い手:30㎡以上か、自分で住みたい人にも売れるかを見ます。

新築と中古の基本的な違いは「新築と中古ワンルームマンション投資、どちらを買うべきか」、YouTuberの「やめとけ」の主張の検証は「ワンルームマンション投資「やめとけ」は本当?」も参考にしてください。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の物件の購入・売却を勧誘するものではありません。

※割高診断のデータは、当社サービスに入力された物件のうち築年数が分かる4,587件(2023年1月〜2026年9月)の集計で、市場全体の割合を示すものではありません。判定は物件の利回りと金融機関の評価利回りの差にもとづきます。

※動画の内容は、2026年9月13日に公開されていた動画を当社が視聴し、要旨をまとめたものです。発信者の見解を正確に知りたい方は、各動画をご覧ください。登録者数は同日時点です。

※供給戸数の出典: 株式会社不動産経済研究所「首都圏投資用マンション市場動向」(2026年8月5日発表)。投資の判断はご自身の責任で行ってください。