YouTubeで「ワンルームマンション投資」と調べると、「やめとけ」「手を出すな」という題名の動画が上位に並びます。一方で、「商品が悪いのではなく条件がすべて」と言う発信者もいます。

どちらが正しいかを決めるより、「どの条件なら当てはまるか」を見るほうが、自分の判断に役立ちます。この記事では、5つのチャンネルの主張を同じ重さで並べ、当社に寄せられた割高診断のデータで確かめます。

この記事を書いている私たちの立場

私たち「みんなのワンルーム投資」は、ワンルーム投資の相談サービスを運営しています。発信者の主張の正しさを裁くのではなく、動画で何と説明されているか(事実)と、当社データから言えること(私たちの見方)を分けて書きます。

5つのチャンネルの主張を並べる

登録者1万人以上のチャンネルから、ワンルームマンション投資について立場のはっきりした動画を選びました(登録者数・再生回数は2026年9月13日時点)。

5つのチャンネルの立場
5つのチャンネルの立場
チャンネル(登録者)立場取り上げた動画(公開日)
不動産Gメン滝島(72.6万人)否定ワンルームマンション投資は絶対するな!販売会社の巧妙な手口とは…?(2022年7月1日)
両学長 リベラルアーツ大学(977万人)否定第31-1回 不動産投資成功法 ワンルームマンション投資に手を出すな(2018年10月29日)
楽待 RAKUMACHI(171万人)否定(新築)【絶対NG】新築ワンルームマンション投資をしてはいけないこれだけの理由(2020年10月31日)
小原正徳の不動産アカデミー(6.5万人)条件つき否定【ワンルームは絶対に買うな!を論破】逆に買うべきワンルームマンション投資を紹介します(2024年4月2日)
資産形成チャンネル【ココザス】(2.5万人・不動産の資産形成サービスを運営する会社のチャンネル)条件つき肯定ワンルームマンション投資は詐欺!と言っている方々へ|不動産投資は条件がすべて(2024年12月7日)

否定する側の主張

否定する3チャンネルが挙げる理由
否定する3チャンネルが挙げる理由

不動産Gメン滝島:広告の数字を足し引きすると毎年赤字になる

動画では、頭金ゼロ・35年ローンで2,500万円のワンルームを勧める広告を例に、固定資産税・管理費・修繕積立金・サブリース手数料などを足していくと、年間およそ40万円の持ち出しになると試算しています。そのうえで、値下がりすれば成り立たない投資だとし、ローンで買うなら表面利回り6%を一つの目安に挙げています。都心の一等地など、値下がりしにくい物件は例外としています。

両学長:表面利回りに入っていない費用がある

動画では、表面利回りには金利・空室・購入時の諸費用・管理費や修繕積立金・固定資産税・原状回復や広告費・値下がりが入っていないと説明し、「節税になる」「年金の代わりになる」といった勧め方に注意を促しています。結論として、ワンルームの区分マンションには手を出さない方がよいとしています。

楽待:新築は、副収入目的の会社員には合わない

講座動画では、新築区分マンションについて「節税になる」は1年目が中心で2年目以降は課税所得がプラスになりやすい、「サブリースで安心」は売るときの足かせになることがある、と説明しています。一方で、団体信用生命保険が保険の代わりになる点は正しいとし、相続税対策の富裕層や、現金で買う中小企業の経営者には合う場合がある、と条件を分けています。

条件をつけて論じる側の主張

条件つきで論じる2チャンネル
条件つきで論じる2チャンネル

小原正徳:勝ち筋がないのは「区分のワンルーム」

題名は「買うな!を論破」ですが、動画の結論は「区分のワンルームには勝ち筋がない」です。東京の新築区分ワンルームは表面利回り3%台と低く、家賃が上がる余地も利回りが下がる余地も小さいと説明します。そのうえで、同じ区分でもファミリータイプや、30㎡以上で自分で住みたい人にも売れる物件なら勝ち筋はある、としています。つまり全面的な肯定ではなく、ワンルームの中で条件を分けた主張です。

ココザス:悪いのは商品ではなく、条件と売り方

運営会社のチャンネルとして立場を明かしたうえで、「商品が悪いわけではなく、取り組む条件がすべて」と主張しています。外せない低い保証賃料のサブリース、最初から毎月赤字、駅から10分超の物件などを「悪い条件」とし、立地がよく築10年以内、家賃の3〜5%の管理委託、長く持って残債が減ったところで売る、といった条件なら手元に残る、と説明しています。節税については、税率の高い人には効くが、税率10〜20%の人には意味が薄いとしています。

5人の主張は、同じ「条件」を指している

否定側と条件つき側で結論は逆に見えますが、挙げている条件はかなり重なっています。

5人が共通して挙げる条件
5人が共通して挙げる条件
  • 価格が割高(業者の利益が乗った新築など)
  • 表面利回りが低い(3%台)
  • フルローンで、毎月の家賃より支払いが多い
  • 外せない・下がるサブリース
  • 税率の低い人に「節税」を勧める

否定側はこの条件がそろった典型例を、条件つき側はこの条件を外した例を取り上げています。では、実際に相談の場に持ち込まれる物件は、どちらに近いのでしょうか。

当社の割高診断4,627件で確かめる

当社の割高診断に入力された物件4,627件(2023年1月〜2026年9月・主に東京23区と横浜市・川崎市)を集計しました。判定は、物件の利回りと、金融機関が評価に使う利回りの差から出しています。

約半数が「危険」または「割高」

割高診断の判定の内訳
割高診断の判定の内訳

判定の内訳は、危険2,352件・割高42件・許容範囲676件・安全・割安1,557件でした。「危険」「割高」を合わせると51.7%です。診断に入力されるのは、検討中や保有中で気になっている物件が多いため、市場全体の割合ではない点に注意してください。それでも、相談に来る物件の半分は、否定側の主張が当てはまる状態だと言えます。

分かれ目は表面利回り3.5〜4%

表面利回り帯ごとの判定
表面利回り帯ごとの判定
表面利回り件数危険・割高安全・割安
3%未満373件すべて0%
3〜3.5%1,589件83%4%
3.5〜4%1,450件39%41%
4〜5%882件4%75%
5%以上222件0%すべて

判定のしくみ上、利回りが低いほど割高に出るのは当然ですが、どこで分かれるかが見えます。3.5%を下回ると8割以上が危険・割高、4%を超えると大半が安全・割安です。

価格が高いほど、築年数が浅いほど割高に出やすい

価格帯ごとの判定
価格帯ごとの判定

価格帯で見ると、1,500万円未満は危険・割高26%、3,500万円以上は69%でした。築年数で見ると、築0〜2年は68%、築31年以上は39%です。

築年数ごとの危険・割高の割合
築年数ごとの危険・割高の割合

新築と中古の比べ方は、「新築はダメ、中古ならいい」は本当?で詳しく検証しています。

主張はどの条件で当たり、どの条件で外れるか

主張が当たる条件・外れる条件
主張が当たる条件・外れる条件
主張当てはまりやすい条件当てはまりにくい条件
毎年赤字になる(滝島)表面利回り3%台・フルローン表面利回り4%以上・頭金を入れる
表面利回りに費用が入っていない(両学長)満室想定の利回りだけで判断する実質の手取りで計算してから買う
新築は会社員に合わない(楽待)副収入目的・税率が低い相続税対策・現金で買う
区分ワンルームは勝ち筋がない(小原)25㎡前後で自分で住む人に売れない30㎡以上で住む人にも売れる
条件がすべて(ココザス)立地・築浅・管理委託・長期保有がそろう外せないサブリース・駅から遠い

私たちの見方では、5人の主張は「割高な価格で、利回りの低い物件を、ローンで買う」ときに強く当てはまるという点で一致しています。

当てはまる人・当てはまらない人

やめとけが当てはまる人・当てはまらない人
やめとけが当てはまる人・当てはまらない人

やめとけが当てはまりやすい人

  • 営業で勧められた新築を、表面利回りだけ見て決めようとしている
  • 頭金を入れず、毎月の持ち出しが出る計画になっている
  • 節税を主な理由にしているが、税率は20%前後

当てはまりにくい人

  • 相場と金融機関の評価から見て割高でない価格で買える
  • 表面利回り4%前後以上で、持ち出しが出ない計画にできる
  • 相続対策など、節税以外のはっきりした目的がある

買う前・持っている人が確かめること

確かめる3つのこと
確かめる3つのこと
  1. 価格が相場より高くないか割高診断で、物件の価格・家賃・築年数から確かめられます。
  2. 家賃が相場からずれていないか:すでに持っている物件は、家賃診断(無料の会員登録が必要)で周辺の実際の家賃と比べられます。
  3. 毎月の手取りがプラスか:管理費・修繕積立金・固定資産税・空室まで入れて計算します。

「やめとけ」と言われる理由の全体像は「ワンルームマンション投資「やめとけ」と言われる5つの理由」、節税の主張の検証は「「ワンルーム投資は節税にならない」は本当?」も参考にしてください。


※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の物件の購入・売却を勧誘するものではありません。動画の内容は、2026年9月13日に公開されていた動画を当社が視聴し、要旨をまとめたものです。発信者の見解を正確に知りたい方は、各動画をご覧ください。

※割高診断のデータは、当社サービスに入力された物件(2023年1月〜2026年9月・4,627件)の集計で、市場全体の割合を示すものではありません。判定は物件の利回りと金融機関の評価利回りの差にもとづきます。

※登録者数・再生回数は2026年9月13日時点です。投資の判断はご自身の責任で行ってください。