結論から: 「土地情報が豊富なNo.1」「高品質なのにローコストNo.1」:飯田グループがWebサイトやチラシに大々的に掲げてきたこれらの称号は、「実際に利用したことがある消費者への調査」ではなく、任意に選んだ10社のウェブサイトを見た人に"印象"を聞いただけの調査に基づくものだった。消費者庁は景品表示法違反として措置命令を発令、5社が2026年7月3日に連名で謝罪文を公表した。
この記事の要点
- 対象5社:飯田グループHD・一建設・飯田産業・アーネストワン・住宅情報館(日本最大級の住宅グループ)
- 措置命令日:令和6年2月29日(2024年2月29日)付け
- 問題の表示期間:令和4年2月18日〜令和5年9月25日(約1年7ヶ月)
- 違反の媒体:Webサイト・ポスティングチラシ等
- 問題の称号:「土地情報が豊富なNo.1」「高品質なのにローコストNo.1」「初めて建てる方におすすめNo.1」の3項目
- 調査の実態:実際の利用者への調査ではなく、任意の10社だけを比較したウェブサイトへの"印象アンケート"

「No.1」の実態:何が問題だったのか
発表文の核心を読み解くと、衝撃的な事実がわかる。
飯田グループが「No.1」の根拠としていた調査は、日本トレンドリサーチに委託したものだ。しかしその調査方法は以下のようなものだった。

回答者に対し、飯田グループが提供する役務及び他の事業者が提供する同種役務について実際に利用したことがある者か又は知見等を有する者かを確認することなく、飯田グループホールディングス株式会社及び特定9事業者のみを任意に選択して対比し、各事業者のウェブサイトの印象を問うものであり、客観的な調査に基づくものではありませんでした。
つまりこういうことだ。
「No.1」と見えたもの → 飯田グループが選んだ10社のサイトを並べて「どれが良さそうですか?」と聞いただけ
「No.1」に必要なもの → 実際に住宅を建てた・検討した消費者への、業界横断的な満足度調査
この差は大きい。競合10社を自分で選べるなら、勝てる相手ばかり並べることができる。「実際に使った人への調査」という前提がなければ、どんな商品でも作れてしまう数字なのだ。
飯田グループとは何者か
一建設・飯田産業・アーネストワンを傘下に持つ飯田グループは、年間約4万棟の建売・注文住宅を供給する日本最大の住宅グループのひとつ。ローコスト住宅市場での圧倒的な存在感は本物であり、今回の問題はその広告表現の部分だ。
「安くていい家を作る」という実績と、「No.1を詐称した」という事実は、切り分けて理解する必要がある。 
不動産広告の「No.1」は信用できるか
今回の件で改めて問われるのが、不動産・住宅業界に溢れる「No.1」「満足度1位」「選ばれている」という表示の信頼性だ。
消費者庁が「No.1表示」を問題視する理由は明確だ。消費者は「No.1」を見た瞬間に、客観的な調査で実際の利用者から高い評価を得たと理解する。しかし実際には、調査設計次第でほぼどんな結果でも作り出せる。
No.1表示を見るときのチェックポイント:
1. 誰に聞いた調査か:「利用者への調査」か「知っているか聞いただけ」か 2. 何社と比較したか:業界全体か、任意の数社か 3. 調査機関の独立性:自社グループ関連の調査機関か、第三者機関か 4. 調査時期と対象人数:最新のデータか、サンプルは十分か 
ワンルーム投資家が知っておくべきこと
「No.1」問題は戸建て住宅だけの話ではない。投資用ワンルームマンションの広告にも、「オーナー満足度No.1」「管理実績No.1」「入居率No.1」といった表示は珍しくない。
今回の飯田グループの件は、そうした表示が必ずしも客観的な根拠に基づいていない可能性があることを、行政処分という形で証明した事例といえる。
物件を選ぶ際には、広告の数字よりも、実際の入居率データ・管理コストの実績・第三者機関による評価を個別に確認する姿勢が重要だ。
そのための第一歩として、物件の適正価格を独立した視点で検証することが欠かせない。

本記事は一建設株式会社が2026年7月3日に公表した「不当景品類及び不当表示防止法に基づく措置命令に関するお詫びとお知らせ」をもとに、みんなのワンルーム投資編集部が独自に要約・解説したものです。本記事は公式発表の事実報告であり、特定企業を誹謗中傷する意図はありません。 出典:措置命令に関するお詫びとお知らせ(PDF)
