45道府県が人口を失った。増えたのは、東京と沖縄だけだ。
グローバル都市不動産研究所(グローバル・リンク・マネジメント)が2026年7月16日に公開した調査レポートは、2025年国勢調査の速報値をもとに、日本の人口集積の「現在地」を数字で示している。

309万人が消えた日本で、東京だけが増え続けた
2020年から2025年の5年間で、日本の総人口は309万7千人(△2.5%)減った。これは横浜市の人口がそっくり消えたのとほぼ同じ規模だ。
にもかかわらず、東京都の人口は増えた。増加したのは全国47都道府県のうち東京と沖縄の2つだけ。残る45道府県は例外なく減少に転じている。
「一極集中」という言葉は以前からあったが、2025年の調査はそれを数字として確定させた。
東京圏の人口、初めて「全国の3割」を超える
東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県を合わせた東京圏の人口は3,698万6千人。日本の総人口に占める割合が、ついに3割を超えた。
ただし、内訳を見ると話は単純ではない。

神奈川・埼玉・千葉の3県は、すでに人口が減り始めている。「東京圏」全体の数字は増えているように見えるが、実態は東京都の一人勝ちだ。郊外の市町村では縮小が加速しており、「東京に引っ越す」という選択肢が「東京23区に引っ越す」に絞られてきている。
23区で起きている意外な変化。3区が減少に転じた
東京23区全体では約22万人(2.3%)増加し、23区のうち20区が人口を増やした。ここまでは「やはり都心は強い」という印象だが、残る3区の動きが気になる。
千代田区・渋谷区・目黒区の3区は、人口が減少に転じた。

この3区の共通点は、都内でも家賃水準が特に高いエリアだということだ。家賃の上昇が実需の入居者を押し出しはじめ、「住みたいけど住めない街」になりつつある可能性がある。
一方で増加が続いている区は、足立・葛飾・江戸川・江東・荒川といった城東・城北エリアに多い。家賃が比較的手頃で、都心へのアクセスも悪くない。そういうエリアに人が流れ込んでいる。
投資家が読み取るべきこと
レポートを取りまとめた市川宏雄所長は「都心集中と郊外縮小という二重構造が、今後の不動産市場に大きく影響する」と述べている。

ワンルーム投資の観点では、今回のデータはひとつのシグナルだ。
渋谷・目黒・千代田は「人気エリア」だが、今や人口が減っている。それほど家賃が上がっている。入居者目線でいえば「払えない」水準に近づいているのかもしれない。
対して城東・城北エリアは、人口流入が続きながら家賃水準はまだ現実的な範囲にある。需要が集まり、家賃が上がりきっていない。ワンルーム投資家にとって、その条件は重要だ。
東京への集中は当面続く。だが「どの東京か」を選ぶ目が、これからますます問われてくる。
*出典:グローバル都市不動産研究所「#40 止まらぬ東京集中、東京の人口増加率は鈍る 東京圏人口は総人口の3割超へ」(2026年7月16日)*
