結論から: 宮城県石巻市の牡鹿観光が、空き家を格安で取得・リフォームし10年間の賃貸後に入居者へ無償譲渡する「贈与型賃貸住宅」を地域の不動産会社10社と連携して展開している。
この記事の要点
- 空き家を原則10万円以下で取得し200〜300万円の最小限リフォームを実施、月額家賃は相場より安い約5万円に設定
- 2025年開始から26年5月末時点で再生実績4棟・準備中4棟、入居待ちはすでに約30人に上る
- 5年間の家賃で改修費を回収し残り5年で利益を積む収益モデルで、事業者の収益性を担保する設計が前提
- 長崎市の明正興産が先行事例で、石巻と類似した住宅市況に共感した久道取締役が視察後に石巻展開を決断
- 葬儀社や介護施設など異業種との連携にも着手し、相続物件の発掘ルートを多様化している





牡鹿観光が主導するこの仕組みは、売れ残った空き家を超低価格で買い取り、水回りを中心に必要最小限の改修を加えた上で市場より安い賃料で提供するものだ。入居者は住宅ローンを組まずに10年後の持ち家取得を目指せるため、特に子育て世帯から関心が高く、成約者には2拠点居住者も含まれる。
収益構造は前半5年で投資回収、後半5年で利益を積み上げるシンプルな設計で、事業者側が赤字にならない点が継続性の鍵とされている。一方でオーナー側も「親が建てた家を壊さずに使ってほしい」という感情的なメリットがあり、500万円で売れなかった物件が10万円での売却に応じた事例がその象徴だ。
石巻市内の賃貸入居率が約70%にとどまる厳しい市況の中、1社単体での事業継続が難しくなったことが、同業10社による連携プロジェクト発足の背景にある。売買仲介・買取・リフォーム・入居募集を各社が分担することで、それぞれに仕事が生まれる好循環を設計しており、地元の「石巻宅地建物研修クラブ」など既存の勉強会コミュニティが連携の土台となっている。
将来的には年間10棟の供給を目指すとともに、葬儀社や介護施設からの相続物件紹介ルートを開拓するなど、空き家の仕入れ網を異業種にも広げる方針だ。担当取締役は「大きな利益は出ないが、3〜5年先を見越して人を地域に呼び込むことがまちの活性化につながる」と話し、短期的な採算よりも地域再生の視点を重視している。
本記事は 全国賃貸住宅新聞 の報道をもとに、当社編集部が独自に要約・再構成したものです(原文の転載ではありません)。詳細・正確な情報は出典の原文をご確認ください。
出典:全国賃貸住宅新聞「10年賃貸で持ち家に:石巻の空き家再生贈与型賃貸住宅とは」(https://www.zenchin.com/news/content-5642.php)2026年6月アクセス
