結論から: 居住目的限定の賃貸物件で借主が無断で民泊営業をした場合、転貸可特約があっても用法違反として契約解除・明け渡し請求が認められ得る。
この記事の要点
- 転貸可特約は同居者や知人への転貸を想定し、不特定多数への事業的貸し出しは別問題とされる
- 民泊は不特定多数の宿泊者を有料で受け入れる事業利用にあたり、居住目的の用法に反すると判断されやすい
- 無断民泊は用法順守義務違反となり、賃貸借契約の解除事由として認められる可能性がある
- 解除を認めてもらうには近隣苦情や騒音トラブルなど信頼関係破壊の事実を具体的に立証する必要がある
- 貸主は特約の文言だけでなく使用目的の記載内容を確認し、無断民泊発覚時の対応を検討すべきである
物件の賃貸借契約に「転貸可」という特約が付いていても、それは同居人や知人への又貸しなど限定的な転貸を想定したものであることが多く、不特定多数の宿泊者を相手にした事業的な貸し出しまで許容する趣旨ではないと解されています。
民泊は、不特定多数の利用者から宿泊料を得て部屋を提供する事業的な性質を持つため、契約書に記載された使用目的が「居住用」に限定されている場合、借主が無断でこれを行うと用法を逸脱した行為とみなされやすくなります。
このような用法違反が認められれば、貸主は賃貸借契約を解除し、建物の明け渡しを求めることが可能になる余地があります。ただし、解除が認められるかどうかは、単なる契約文言の解釈だけで決まるわけではありません。
実際の裁判例や実務では、近隣住民からの苦情、騒音やゴミ出しなどのトラブルの有無といった具体的な事情を積み重ね、貸主と借主の間の信頼関係が破壊されたと評価できるかどうかが重要な判断要素となります。
貸主としては、契約書における転貸可特約の範囲と使用目的の記載を改めて確認し、無断民泊が発覚した際には早期に証拠を収集した上で、弁護士など専門家に相談しながら解除や明け渡し請求の可否を検討することが望ましいといえます。




本記事は 全国賃貸住宅新聞 の報道をもとに、当社編集部が独自に要約・再構成したものです(原文の転載ではありません)。詳細・正確な情報は出典の原文をご確認ください。
出典:全国賃貸住宅新聞「無断の民泊経営による賃貸借契約の解除・明け渡し」(https://www.zenchin.com/news/content-6291.php)2026年10月アクセス
